本文へジャンプ

「人工知能活用による革新的リモート技術開発」事業を開始
―空間・時間の制約から解放された社会を実現するための基盤技術を開発―

2021年7月8日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは「人工知能活用による革新的リモート技術開発」において、人工知能(AI)を活用した革新的なリモート技術の基盤形成を目指す研究テーマ5件を採択しました。

本事業では産業競争力の維持向上、行動制限下での社会活動の継続、多様な立場の人々の社会参加といった課題を解決する手段として社会からの期待が高まっているリモート技術について、実際に遠隔地に出向く場合と同等以上に現場の状態を把握することが可能となる基盤技術の確立を目指します。

NEDOは本事業を通じて、社会のあらゆる場面のリモート化を進展させ、日本が抱える社会課題の解決に貢献します。

1.概要

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、テレワークやオンライン会議など空間・時間の制約から解放された社会・経済活動を実現するリモート化のニーズが急速に高まっています。しかし、遠隔地の状態が把握できないという課題も顕在化しており、リモート化による生産性向上の効果は限定的です。特に労働集約的・対面主体の労働現場では、業務遂行に不可欠な情報を伝送できないことからリモート化が十分に進んでおらず、事業活動の停止により大きな経済的打撃を受けています。

社会・経済活動のリモート化をより広範な領域に展開し生産性を向上させるためには、遠隔地の状態を推定することや、視覚・聴覚のみならず力触覚※1などの感覚も交えて効果的に相手に情報を認知させることによって、実際に遠隔地に出向く場合と同等以上に現場の状態を把握することが可能となる革新的なリモート技術の基盤を確立する必要があります。

このような背景の下、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「人工知能活用による革新的リモート技術開発」において、人工知能(AI)で遠隔環境の状態を高度に推定する「状態推定AIシステムの基盤技術開発」、およびAIで情報を効果的に提示する「高度なXR※2により状態を提示するAIシステムの基盤技術開発」として、このたび研究テーマ5件を採択しました

NEDOは本事業を通じて、社会のあらゆる場面のリモート化を進展させ、産業競争力の維持向上、行動制限下での社会活動の継続、多様な立場の人々の社会参加といった日本が抱える社会課題の解決に貢献します。

2.事業の内容

人工知能活用による革新的リモート技術開発
事業期間:
2021年度~2024年度(予定)
全体予算:
4.7億円(2021年度)
技術分野:
人の動作の感知・解析
人の感情・気分・意図の推定
視覚・聴覚・力触覚等の認知・伝送
視覚・聴覚・力触覚等を利用した情報の提示

3.採択テーマおよび委託予定先一覧

今回、新たに研究開発に着手するテーマは以下の5件です。

テーマ名 委託予定先(五十音順)
極薄ハプティックMEMS※3による双方向リモート触覚伝達AIシステムの開発 オムロン株式会社
株式会社Adansons
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人筑波大学
国立大学法人東北大学
Contact Realityの実現による遠隔触診システム開発 国立研究開発法人理化学研究所
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
豊田合成株式会社
遠隔リハビリのための多感覚XR-AI技術基盤構築と保健指導との互恵ケア連携 株式会社エブリハ
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人京都大学
国立大学法人東京大学
セイコーエプソン株式会社
AI・XR活用による空のアバターを実現する『革新的ドローンリモート技術』の研究開発 国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人東京大学
動作ユニットAIによる人の感情推定とキャラクタの感情豊かな動作生成による遠隔コミュニケーション環境の構築 国立大学法人東北大学

【注釈】

※1 力触覚
手触りや固さなど、物に触れたり力を加えたりすることで得られる感覚。
※2 XR
VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)、SR(Substitutional Reality:代替現実)などの技術の総称。
※3 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
微細加工技術によって、一つの基板上に機械要素部品、センサー、アクチュエーター、電子回路が集積されたデバイス。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:鈴木、柳瀬、杉村、津波古、前原、吉田(准)
TEL:044-520-5242 E-mail:project_remote@nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:橋本、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

関連ページ