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グリーンイノベーション基金事業で、次世代型太陽電池の開発に着手
―軽さと柔軟性を持たせ、工場の屋根やビル壁面などへの設置を目指す―

2021年12月28日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指し、グリーンイノベーション基金事業の一環として、脱炭素化の実現に必要不可欠な再生可能エネルギーの主力電源化へ向けて太陽光発電の普及を後押しする「次世代型太陽電池の開発」の6プロジェクトを採択し、着手します。

耐荷重の小さい工場の屋根やビル壁面など既存の太陽電池を設置できない場所への導入に向け、軽さや建物の曲面などにも設置できる柔軟性を持たせるだけでなく、変換効率や耐久性などの性能面でも既存電池に匹敵する次世代型太陽電池(ペロブスカイト)の実用化を目指します。

1.概要

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業を立ち上げました。

本基金事業はグリーン成長戦略で実行計画を策定した重点分野を支援対象としており、その一つとして太陽光が挙げられています。日本では平地が少なく、地域と共生しながら安価に太陽光発電事業を実施できる適地が不足しているという課題を解決し社会実装につなげるため、NEDOはこのたびグリーンイノベーション基金事業の一環として「次世代型太陽電池の開発」の公募を行い、脱炭素化の実現に必要不可欠な再生可能エネルギーの主力電源化へ向けて太陽光発電の普及を後押しする6プロジェクトを採択しました。

2.事業内容

本事業を通じて、既存の技術では太陽電池を設置できなかった場所(耐荷重の小さい工場の屋根やビル壁面など)にも太陽光発電を導入するため、軽さと建物の曲面などにも設置可能な柔軟性などを持たせ、性能面(変換効率や耐久性など)でも既存電池に匹敵する次世代型太陽電池(ペロブスカイト)の実用化を目指します。

  • 事業名:グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発
  • 実施期間:2021年度~2025年度(予定)
  • 予算額:200億円(全体498億円の内数)
    ※上記は今回採択したプロジェクトに関する事業期間および予算額。

実施テーマ:

【研究開発項目〔1〕】

〔1〕次世代型太陽電池基盤技術開発事業

〔1〕-A 次世代型太陽電池基盤技術開発(一貫型):

本研究開発では、ペロブスカイト太陽電池の実用化に取り組む企業などが共通して利用可能な研究基盤の整備および基盤技術の開発を行います。

〔1〕-B 次世代型太陽電池基盤技術開発(企業連携型):

本研究開発では、〔2〕次世代型太陽電池実用化事業を実施する事業者の目標達成に必要なセルや材料などに係る基盤技術について、大学などが当該事業者と連携して研究開発を行います。

【研究開発項目〔2〕】

〔2〕次世代型太陽電池実用化事業

本研究開発は、研究開発項目〔1〕で開発する小面積セルの性能(変換効率・耐久性など)やモジュールの基盤技術を活用しつつ、製品レベルの大型化を実現するための各製造プロセス(例えば、塗布工程、電極形成、封止工程など)の個別要素技術の確立に向けた研究開発を行い、設置場所に求められる形態と変換効率、耐久性および発電コストを満たすペロブスカイト太陽電池モジュールの実現をめざします。

各項目の実施予定先や予算額などは、別紙をご覧ください。

【注釈】

※ グリーン成長戦略
日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を、経済と環境の好循環につなげるための産業政策として、2021年6月18日に経済産業省が関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:山崎、永田、福嶋、宮川
TEL:044-520-5270 E-mail:nedo.gi-pv@ml.nedo.go.jp

(グリーンイノベーション基金事業全体についての問い合わせ先)

NEDO グリーンイノベーション基金事業統括室 担当:井上、堀、茂手木
E-mail:green-innovation@nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、橋本、鈴木(美)、根本
TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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