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グリーンイノベーション基金事業、「洋上風力発電の低コスト化」に着手
―4分野で要素技術の研究開発を推進し、洋上風力発電の導入拡大を目指す―

2022年1月21日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは、グリーンイノベーション基金事業の一環として、浮体式を中心とした洋上風力発電のコスト低減によって導入拡大を目指すプロジェクト「洋上風力発電の低コスト化」(総額1195億円)に着手します。

本プロジェクトでは、まずフェーズ1として「次世代風車」、「浮体式基礎製造・設置低コスト化」、「洋上風力関連電気システム」、「洋上風力運転保守高度化」の4分野を対象とした、18テーマの要素技術研究開発を進めます。また、最速2023年度以降に実施する実証研究(フェーズ2)と合わせて、浮体式を中心とした洋上風力発電の早期の低コスト化を通じた導入拡大を目指します。

1.グリーンイノベーション基金事業について

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業を立ち上げました。

なお、NEDOは本基金事業の取り組みや関連技術の動向などをわかりやすく伝えていくことを目指し、「グリーンイノベーション基金事業 特設サイト※1」を公開しています。

2.本プロジェクトの背景

本基金事業はグリーン成長戦略※2で実行計画を策定した重点分野を支援対象としており、その一つとして「洋上風力産業」が挙げられています。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーを最大限導入するという政府方針の中で、特に洋上風力発電は大量導入やコスト低減が可能で経済波及効果が期待されることから、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札とされています。

これらを踏まえ、NEDOは洋上風力発電の社会実装を進めるため、このたびグリーンイノベーション基金事業の一環として経済産業省が策定した研究開発・社会実装計画に基づき「洋上風力発電の低コスト化」プロジェクトの公募を行い、4分野計18テーマを採択しました。

3.事業内容

本プロジェクトでは洋上風力産業のうち、現状では技術成熟度※3が比較的低いながらも、長期的な支援によって技術開発の進展と大きな政策効果が見込める分野への支援を行います。具体的には「洋上風力の産業競争力強化に向けた技術開発ロードマップ※4」に基づくサプライチェーン8分野のうち、対象として「風車」、「浮体式基礎製造」、「浮体式設置」、「電気システム」、「運転保守」を重点化した上で、まずはフェーズ1として要素技術の開発を進めます。また最速で2023年度以降にはフェーズ2として実証事業を実施し、早期のコスト低減を実現することで浮体式を中心とした洋上風力発電の導入拡大を目指します。

名:グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化
実施テーマ:
【研究開発項目:フェーズ1-〔1〕】次世代風車技術開発事業
【研究開発項目:フェーズ1-〔2〕】浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業
【研究開発項目:フェーズ1-〔3〕】洋上風力関連電気システム技術開発事業
【研究開発項目:フェーズ1-〔4〕】洋上風力運転保守高度化事業
実施期間:
【研究開発項目:フェーズ1-〔1〕】2021年度から原則最大5年間
【研究開発項目:フェーズ1-〔2〕〔3〕〔4〕】2021年度から原則最大3年間
予算(NEDO支援規模):フェーズ1合計345億円(本プロジェクト予算総額1195億円の内数)
【研究開発項目:フェーズ1-〔1〕】150億円
【研究開発項目:フェーズ1-〔2〕】100億円
【研究開発項目:フェーズ1-〔3〕】25億円
【研究開発項目:フェーズ1-〔4〕】70億円

各項目の実施予定先などは、別紙をご覧ください。

【注釈】

※1 グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
別ウィンドウが開きます グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
※2 グリーン成長戦略
日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を、経済と環境の好循環につなげるための産業政策として、2021年6月18日に経済産業省が関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。
※3 技術成熟度
「特定の技術の成熟度の評価を行い、異なったタイプの技術の成熟度を比較することのできるシステマティックな定量尺度」です。主として、システム、サブシステム、機器、コンポーネント、部品などの最終製品を目指した開発活動に活用する尺度です。
※4 洋上風力の産業競争力強化に向けた技術開発ロードマップ
「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」およびNEDOで研究開発の候補となる技術群を抽出し、8分野に整理しました。その上で分野ごとに、〔1〕日本の特性や強み、アジア市場への最適化に有用な技術であるか、〔2〕社会実装を見据え、ユーザーである発電事業者のニーズを踏まえたものであるか、といった観点から、有識者や産業界の意見を反映し、開発すべき要素技術の絞り込みを行い取りまとめました。
別ウィンドウが開きます 洋上風力の産業競争力強化に向けた 技術開発ロードマップ

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 風力・海洋グループ 担当:村田、佐々木
TEL:044-520-5270 E-mail:gi-wind@nedo.go.jp

(グリーンイノベーション基金事業全体についての問い合わせ先)

NEDO グリーンイノベーション基金事業統括室 担当:井上、堀、茂手木
E-mail:green-innovation@nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、橋本、鈴木、根本
TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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