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グリーンイノベーション基金事業で、コンクリートやセメント分野のカーボンリサイクル技術の開発に着手
―コンクリートやセメント製造時のCO2排出量を削減、固定量を最大化―

2022年1月28日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 石塚博昭

NEDOは、グリーンイノベーション基金事業の一環で「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」(予算総額550億円)に着手します。本事業では、コンクリート製造時におけるCO2排出量の削減・固定量の増大とコスト低減を両立する技術の開発と、セメント製造過程での効率的なCO2分離・回収技術の確立および回収したCO2のセメント原料化に向けた一体的な技術開発を推進し、社会実装モデルの構築を目指します。

1.グリーンイノベーション基金事業について

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業を立ち上げました。

なお、NEDOは本基金事業の取り組みや関連技術の動向などをわかりやすく伝えていくことを目指し、「グリーンイノベーション基金事業 特設サイト※1」を公開しています。

2.本プロジェクトの背景

本プロジェクトは、上記のグリーンイノベーション基金事業の一つとして取り組むものです。コンクリートやセメントへのCO2利用については、CO2を大規模に固定できる可能性があることや、生成物が安定していることなどから、早期の社会実装に向け日本や米国、欧州での研究開発・実証が本格化しています。しかし、これらの技術の実用化には用途拡大や低コスト化などの課題を解決する必要があります。

そこで、NEDOは経済産業省が策定した研究開発・社会実装計画※2に基づき、このたび「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト※3」の公募を行い、4テーマを採択しました。

3.事業内容

本事業では、2030年までにコンクリートの材料製造から運搬、施工までの全工程でCO2排出量の削減とCO2固定量の増大を図るとともに、既存製品と同等以下のコストを実現する製造システムを完成する計画です。併せて、CO2を固定したコンクリートの品質を横断的に管理する手法とCO2固定量の評価方法も確立し、それらの国際標準化を図ります。加えて、セメント製造でも2030年までに既存のCO2回収手法と同等以下のコストで、石灰石由来のCO2を回収するプロセスの完成を目指します。また回収したCO2から炭酸塩を製造し、炭酸塩をセメント原料などに再利用する技術の開発にも取り組みます。

  • 名:グリーンイノベーション基金事業/CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト
  • 実施期間:2021年度~2030年度(予定)
  • 算:550億円(NEDO支援規模)
  • 実施テーマ:
    • (1)コンクリート分野
    • 【研究開発項目1】CO2排出削減・固定量最大化コンクリートの開発
      【研究開発項目2】CO2排出削減・固定量最大化コンクリートの品質管理・固定量評価手法に関する技術開発
    • (テーマ名)
    • ●革新的カーボンネガティブコンクリートの材料・施工技術及び品質評価技術の開発
      コンクリート製造時におけるCO2排出量の削減とCO2固定量を最大化しながら、低コスト化に向けた技術開発を行います。また、関係機関などと連携・協力し、同コンクリートの品質管理と固定量の評価手法に関する技術開発を行います。
    • ●CO2を高度利用したCARBON POOLコンクリートの開発と舗装および構造物への実装
      コンクリート由来の産業廃棄物にCO2を固定し、さらに新たな技術を用いてCO2を吸収したCARBON POOL(CP)コンクリートを開発します。また、CPコンクリートの開発に必要となるCO2固定量・品質評価技術の開発と、LCCO2・LCA・LCC※4統合評価設計システムを構築します。
    • ●コンクリートにおけるCO2固定量評価の標準化に関する研究開発
      CO2固定量の評価方法と品質管理方法を研究開発するとともに、関連学会などと連携・協力し、標準化に向けた戦略的な活動を実施します。
    • (2)セメント分野
    • 【研究開発項目3】製造プロセスにおけるCO2回収技術の設計・実証
      【研究開発項目4】多様なカルシウム源を用いた炭酸塩化技術の確立
    • (テーマ名)
    • ●CO2回収型セメント製造プロセスの開発
      従来のNSPキルン※5が持つ高い熱交換性を維持しながら、原料由来のCO2をコンパクトな設備で直接回収するシステム(CO2回収型仮焼炉)を開発します。また、廃コンクリートなどカルシウムを含有する廃棄物などから効率的に炭酸塩を生成する技術を確立し、それをセメント原料などとして利用する「カーボンリサイクルセメント」の技術を開発します。
    • 事業テーマの詳細と実施予定先は、以下の実施予定先一覧と事業概要資料をご覧ください。
    • PDF (別紙1)実施予定先一覧(88KB)
      PDF (別紙2)事業概要資料(1.6MB)

【注釈】

※1 グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
別ウィンドウが開きます グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
※2 研究開発・社会実装計画
グリーンイノベーション基金の適切かつ効率的な執行に向けて、経済産業省においてグリーンイノベーション基金で実施する「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトの内容を「研究開発・社会実装計画」として策定しました。
別ウィンドウが開きます「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画を策定しました
※3 CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト
プロジェクト概要:別ウィンドウが開きますCO2を用いたコンクリート等製造技術開発
※4 LCCO2・LCA・LCC
ライフサイクルCO2、ライフサイクルアセスメント、ライフサイクルコストの略です。製品の原材料取得から製造、最終処分までの全工程でのCO2排出量・固定量、環境影響、コストのことを表します。
※5 NSPキルン
NSPキルンは国内外セメントメーカーにおける標準的なセメント焼成炉(キルン)で、予熱装置を持つ省エネ効果の高い設備です。原料焼成に関してプレヒーターのみ設置したものがSPキルン、プレヒーターと仮焼炉を設置してさらに燃焼効率を上げたものがNSPキルンです。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 環境部 担当:西里、井原、田村、矢部、在間

TEL:044-520-5293 E-mail:cct.projects@ml.nedo.go.jp

(グリーンイノベーション基金事業全体についての問い合わせ先)

NEDO グリーンイノベーション基金事業統括室 担当:井上、堀、茂手木

E-mail:green-innovation@nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:鈴木、橋本、根本、坂本

TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

  • 新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。

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