グリーンイノベーション基金事業「次世代船舶の開発」で新たなテーマに着手します
―大型水素燃料船の社会実装に向けた環境整備を目指します―
2026年2月20日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
NEDOは、グリーンイノベーション基金事業の一環として、海上輸送の脱炭素化に必要不可欠な水素やアンモニアなどを燃料とする次世代船舶の社会実装を目指す「次世代船舶の開発」プロジェクト(以下、本プロジェクト)を進めています。このたび、本プロジェクトの研究開発項目の一つである「水素燃料船の開発」について、新たに1件の研究テーマを採択しました。
本テーマでは、大型水素燃料船への安全かつ効率的な舶用水素燃料の供給および大型水素燃料船の社会実装に向けた環境整備を目的とした技術開発を行い、2030年以降のゼロエミッション船の普及をけん引します。
図 グリーンイノベーション基金事業のロゴマーク
1.グリーンイノベーション基金事業について
日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業分野の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省はNEDOに総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで最長10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業(以下、本基金事業)を立ち上げました。
本基金事業はグリーン成長戦略※1で実行計画を策定している重点分野または「GX実現に向けた基本方針※2」に基づく今後の道行きが示されている主要分野を支援対象としています。また、令和4年度第2次補正予算により3000億円が積み増しされており、令和5年度当初予算により4564億円が積み増しされました。
なお、NEDOは本基金事業の取り組みや関連技術の動向などをわかりやすく伝えていくために、「グリーンイノベーション基金事業 特設サイト※3」を公開しています。
2.本プロジェクトの背景
本プロジェクト※4では、グリーン成長戦略の重点分野のうち「船舶産業」を支援対象としています。国際海運からは年間約7億トンの二酸化炭素(CO2)が排出されており、世界全体のCO2排出量の約2.1%を占めるといわれています(2018年時点)。水素やアンモニアなどを燃料とする次世代船舶の商業運航を実現させれば海上輸送の脱炭素化に貢献できます。一方で、水素やアンモニアなどを燃料とするエンジンは技術的な課題が多く、世界的にも実用化されていません。
このような背景の下、NEDOは国土交通省が策定した「研究開発・社会実装計画※5」に基づき、このたび本プロジェクトで、新たに1件の研究テーマを採択しました。
3.実施内容・採択テーマ
- 【1】事業名
- グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発/水素燃料船の開発/液化水素バンカリング自動化技術の開発
- 【2】予算(NEDO支援規模)
- 15.4億円(上限額)
- 【3】期間
- 2025年度~2030年度(予定)
- 【4】事業概要
- 大型水素燃料船の社会実装に向けて、他の次世代燃料に比べて極低温状態である液化水素のBOG(Boil Off Gas)※6を最小化しながら短時間に安全かつ効率的にバンカリング※7を行うための自動化技術を開発し、研究開発項目1で製造した水素燃料船を用いて実船実証を行います。
- 採択テーマの詳細と実施予定先は、以下の実施予定先一覧と事業概要資料をご覧ください。
- (別紙1)実施予定先一覧
- (別紙2)事業概要資料
【注釈】
- ※1 グリーン成長戦略
- 日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を、経済と環境の好循環につなげるための産業政策として、2021年6月18日、経済産業省が関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。
- ※2 GX実現に向けた基本方針
- ロシアによるウクライナ侵略以降、エネルギー安定供給の確保が世界的に大きな課題となる中、GX(グリーントランスフォーメーション)を通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の三つを同時に実現するべく、2023年12月22日、経済産業省が関係省庁と連携して、「GX実現に向けた基本方針」を取りまとめました。
- ※3 グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
- グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
- ※4 本プロジェクト
- プロジェクト概要:次世代船舶の開発
- ※5 研究開発・社会実装計画
- グリーンイノベーション基金の適切かつ効率的な執行に向けて、国土交通省においてグリーンイノベーション基金で実施する本プロジェクトの内容を「研究開発・社会実装計画(828KB)」として策定しました。
- ※6 BOG(Boil Off Gas)
- 外部からの入熱により気化したガスを指します。
- ※7 バンカリング
- 船舶に燃料を供給することを指します。
4.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 水素・アンモニア部 担当:牧野、鍵山、島村 E-mail:gi_ngs[*]ml.nedo.go.jp
(グリーンイノベーション基金事業全体についての問い合わせ先)
NEDO 事業統括部 グリーンイノベーション基金室 E-mail:green-innovation[*]nedo.go.jp
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 経営企画部 広報企画・報道課 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp
E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。
- ※新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。
グリーンイノベーション基金事業【事業紹介】