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日本初、グリーン水素を使用した還元鉄試作に成功しました
―鉄鋼分野で、CO2の排出削減に貢献します―

2026年7月31日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
JFEスチール株式会社
株式会社やまなしハイドロジェンカンパニー(YHC)
株式会社巴商会
カナデビア株式会社
山梨県企業局
水素製鉄コンソーシアム(GREINS)

NEDOのグリーンイノベーション基金事業「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクト(以下、本プロジェクト)の「水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発/直接水素還元技術の開発」において、日本で初めてグリーン水素を用いた還元鉄の試作に成功しました。

この試作は、NEDOの水素社会構築技術開発事業で建設した水素製造設備からグリーン水素の供給を受け、本プロジェクトで建設した直接水素還元の試験設備を使用したもので、グリーン水素の製造技術開発と利用技術開発が連携することにより実現しました。

今後は、引き続き直接水素還元技術の開発を推進し、社会実装を目指します。加えて、プロジェクトの垣根を越えた連携にも力を入れ、鉄鋼分野における2050年カーボンニュートラル実現を目指し、温室効果ガスの排出削減に貢献します。

還元鉄の写真
図1 今回グリーン水素により試作した還元鉄

1.背景

鉄鋼業は産業部門における最大の二酸化炭素(CO2)排出産業であり、日本全体のCO2排出量の約14%を占めることから、その削減を強く求められています。日本製鉄株式会社、JFEスチール株式会社、株式会社神戸製鋼所、および一般社団法人金属系材料研究開発センター(JRCM)は2022年に水素製鉄コンソーシアム(GREINS※1)を結成し、本プロジェクト※2にて、CO2排出量を飛躍的に低減する技術の開発に取り組んでいます。本プロジェクトは、業界を横断した体制を構築するとともに、技術開発と社会実装を見据えた取り組みを特徴とし、多数の国内研究機関と連携しながら開発を進めています。

本プロジェクトの直接水素還元技術の開発テーマでは、規模や仕様の異なる2基の直接還元試験設備(シャフト炉)を建設し、2024年度から直接水素還元技術の開発に取り組んでいます。

2.今回の成果

(1)グリーン水素※3の供給

山梨県企業局はNEDOの水素社会構築技術開発事業「CO2フリーの水素社会構築を目指したPower to Gasシステム技術開発」4の活動として山梨県米倉山に「米倉山電力貯蔵技術研究サイト」を建設し、運用してきました。ここでは、再生可能エネルギーを使用し、カナデビア株式会社製の1.5MWのPEM型水電解設備によりグリーン水素を製造し、高圧水素ガスとして輸送および販売する体制を構築しています。今回、株式会社やまなしハイドロジェンカンパニー(YHC)と株式会社巴商会を通じてグリーン水素の供給を受け、還元鉄5の試作に使用しました。

  • 図2 高圧水素輸送用トレーラーと関係者
    左からJFEスチール 北村部長、日本製鉄 若林室長、JFEスチール 菊池技監、NEDO 加藤チーム長、
    巴商会 今部長、山梨県企業局 槌屋技監、YHC 平田副主査

(2)グリーン水素を用いた還元鉄の製造

本プロジェクトでは、JFEスチール東日本製鉄所(千葉地区)に生産能力15kg/hの小型パイロットプラントを建設し、2024年12月から水素還元の試験を開始しています。今回、山梨県米倉山で製造したグリーン水素をトレーラーで運搬・供給し、6月29日から7月1日にかけてグリーン水素を用いた水素還元試験を行い、日本で初めて※6約1トンの還元鉄を製造しました。今回は、グリーン水素を用いた鉄鉱石の安定した還元反応により還元鉄の製造が可能であることを確認しました。

  • 図3 直接還元試験設備
    (JFEスチール東日本製鉄所(千葉地区))

3.今後の予定

NEDOは、引き続き本プロジェクトを推進し、開発技術の早期社会実装を目指します。他方、鉄鋼業のカーボンニュートラル実現のためには、安価な水素を大量に確保することや、排出されるCO2の分離回収や有効利用、貯留(CCUS)などの製鉄分野以外と連携した開発が必要となります。今後もNEDOは、プロジェクト間の連携にも一層力を入れ、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、鉄鋼分野における温室効果ガスの排出削減に貢献します。

JFEスチールは、第8次中期経営計画で掲げた、グリーンイノベーション基金なども活用しながら超革新技術の開発を推進し、2035年頃までにカーボンニュートラル実現に向けた技術の確立を目指しています。今後も、今回のグリーン水素を用いた直接還元技術に加え、カーボンリサイクル高炉などの超革新技術の開発に複線的に取り組み、2050年カーボンニュートラル実現を目指します。

やまなしハイドロジェンカンパニー(YHC)、巴商会、カナデビア、山梨県企業局は、参画企業と共同開発したグリーン水素製造設備「やまなしモデルP2Gシステム」の導入拡大を通じて、グリーン水素の生産・供給体制の強化を推進します。また、安定的な供給基盤の構築に取り組むことで、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

水素製鉄コンソーシアム(GREINS)は、本プロジェクトに関する技術開発および社会実装に向けた複線的な取り組みを今後も継続し、各社の人的資源、設備・装置、ノウハウといったリソースを共同で活用・共有することで、2050年カーボンニュートラル実現に貢献します。

【注釈】

※1 GREINS
Green Innovation in Steelmakingより設定しました。水素製鉄コンソーシアムならびに水素製鉄プロジェクトの名称として使用しています。
※2 本プロジェクト
  • 名:グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用/水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発/直接水素還元技術の開発
  • 事業期間:2021年度~2030年度
  • 事業概要:製鉄プロセスにおける水素活用
グリーンイノベーション基金事業ロゴ画像
※3 グリーン水素
再生可能エネルギーを用いて水を電気分解し、製造過程でCO2を排出せずに生成される水素です。
※4 水素社会構築技術開発事業「CO2フリーの水素社会構築を目指したPower to Gasシステム技術開発」
※5 還元鉄
固体の鉄鉱石(酸化鉄が主成分)から酸素を化学的に除去して得られる金属鉄であり、溶解・精錬工程などを経て鉄鋼製品となります。
※6 日本で初めて
2026年7月現在、NEDO調べによります。

4.問い合わせ先

本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先

NEDO サーキュラーエコノミー部 製鉄チーム
TEL:044-520-5250 E-mail:gi-steelmaking[*]ml.nedo.go.jp

JFEスチール 総務部 広報室 TEL:03-3597-3845

やまなしハイドロジェンカンパニー(YHC) 運営管理部 TEL:055-288-9550

巴商会 イノベーション推進本部 水素エネルギー事業推進部 TEL:03-3734-0511

カナデビア 広報・IR部 広報グループ TEL:06-6569-0005(大阪)、03-6404-0802(東京)

山梨県企業局 新エネルギーシステム推進課 TEL:055-234-5268

水素製鉄コンソーシアム(GREINS) 事務局 問い合わせページ

その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先

NEDO 経営企画部 広報企画・報道課 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp

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  • 新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。

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