大王製紙の三島工場で稼働したCNF商用プラントを視察しました
2025年10月3日
NEDOの「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発/革新的CNF製造プロセス技術開発/革新的CNF複合樹脂ペレットの製造プロセスの開発」において、大王製紙株式会社は、セルロースナノファイバー(CNF)の社会実装課題の1つである製造コスト低減を目的に、2020年度から2022年度にかけて、CNFの前処理プロセスや複合樹脂の生産性を飛躍的に改善する製造プロセスを開発しました。本製造プロセスを用いて同社は新たに設備投資を行い、2025年7月から三島工場(愛媛県)の商用プラントでCNF複合樹脂の生産を開始しました。新たな商用プラントは、従来のパイロットプラントと比較して20倍の生産能力となる日本最大の年産2,000トンのCNF複合樹脂製造設備です。
NEDO林理事は2025年9月19日、同プラントを視察し、各製造プロセスについて従来プロセスとの比較や将来の事業化計画・戦略について説明を受けました。今後の、軽量化や、マテリアルリサイクル、再生プラスチックの改質、植物由来原料の使用など、CNFの優位性を活かせる自動車部材などをターゲットとした利用拡大について意見交換を行いました。さらに、CNFの供給量の増大を図り、ユーザー企業と連携した用途開発を進めることで社会実装および事業化の拡大を見据える、同社の展望を伺いました。
関連ページ:大王製紙がCNF複合樹脂「ELLEX-R67」の商用生産を開始しました ―日本最大のCNF商用プラント稼働により社会実装を加速―
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CNF商用プラント視察の様子(前列中央がNEDO林理事)
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CNF製造プロセスについて説明を受けるNEDO林理事(右から2番目)