本文へジャンプ

太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発

事業・プロジェクト概要

 本事業は、我が国における住宅の省エネルギーを推進するため、そのエネルギー消費の約1/2を占める空調・給湯に着目し、太陽熱エネルギーを活用することで、エネルギー消費の削減を目指すものです。これまでも、断熱材や蓄熱建材の開発は行われており、高い性能を実現した技術もありますが、建築現場での施工性や価格、寿命や品質保証等の課題があり、一部の普及にとどまっているのが現状です。そこで、本研究開発では、こうした課題を解決することで、既存住宅・新築住宅を問わず太陽熱エネルギーの有効活用に寄与することのできる材料と戸建住宅用太陽熱活用システムの技術開発及びその実証を行うこととしています。

■太陽熱エネルギー活用型住宅のイメージ

  • 太陽熱エネルギー活用型住宅のイメージ

■太陽熱活用システムの実証住宅での評価

本事業では、2011年度から2013年度まで以下に示す3つの研究開発項目について、それぞれ研究開発を進めてきました。

研究開発項目〔1〕「高性能断熱材※1の開発」
研究開発項目〔2〕「高機能パッシブ蓄熱建材※2の開発」
研究開発項目〔3〕「戸建住宅用太陽熱活用システムの開発」

2014年度から2015年度までの2年間で、2013年度までの研究開発成果を踏まえて、各要素技術を効果的に融合させ、省エネルギー効果を実際の住宅に組み込んで検証するため、以下の研究開発項目〔4〕について、実証研究を行います。

研究開発項目〔4〕「太陽熱活用システムの実証住宅での評価」

研究開発項目〔4〕の目標は、2015年度末に、全国の気候区分※3に合わせた実証住宅において、高性能断熱・蓄熱建材及び太陽熱活用システムを実装し、条件を明確にした上で空調・給湯エネルギーが一次エネルギー換算で半減できる可能性を実証することです。

目標達成に向けて、東日本大震災の被災地を含む全国11地点において、公募により選ばれた住宅建築会社などが、高性能断熱・蓄熱建材や太陽熱活用システムを実装した住宅を設置し、気候区分に適合した、太陽熱エネルギーを効果的に活用するシステムなどの実証研究を行います。

  • (左図)実証住宅のイメージ、(右図)世帯当たりの用途別のエネルギー消費割合(2011年度)(出展:エネルギー白書2013)

■太陽熱エネルギー活用型住宅における実証

本事業では2014年7月より東日本大震災の被災地を含む全国11地点において、それぞれの気候区分に適応した太陽熱エネルギーを活用する省エネ型住宅の実証研究を始めています。

公募により選ばれた住宅建築会社により、高性能断熱・蓄熱建材や太陽熱エネルギー活用システムを実装した実証住宅が、2015年1月までに全国10地点に設置されました。その実証住宅では、住宅の消費エネルギーの約6割を占める空調・給湯エネルギーを5割以上削減することを目指して、2月より各種データの測定を開始しました。これらのデータをもとに、本システムが日本全国で有効に機能するシステムであることを確認していきます。また、取得したデータを住宅の省エネルギー基準作りへ反映する等活用策も含めて事業を進めていきます。

各地の実証住宅で測定されているデータの一部は、下記の実証場所の工務店へアクセスしていただくことでご確認いただけます。

太陽エネルギー活用実証場所

■調査事業

  • 平成23年度「太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発に係る開発動向及び市場動向に関する検討」
  • 平成24年度「太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発に係る技術の有効活用に関する検討」
  • 平成25、26年度「太陽熱エネルギー活用住宅の技術開発に係る断熱材及び蓄熱建材の評価方法検討」
  • NEDOが実施しているプロジェクト、調査等を取りまとめた成果報告書について、公開後10年以内のものは「成果報告書データベース」より検索及びダウンロードができます。ユーザ登録の上、ご利用ください。

【用語解説】

※1 高性能断熱材
通常の住宅用断熱材より2倍程度高性能な断熱性能を持つ真空断熱材等の建材
※2 高機能パッシブ蓄熱建材
PCM(Phase Change Material:相変化材料)を蓄熱材とする建材。(日中の太陽熱を建材内部に蓄熱し、夜間に放熱することで夜間の暖房エネルギーを削減可能)
※3 全国の気候区分
「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」に別表4として記載されている気候の違いにより定義された地域区分(1から8まで定義されている)。
太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発 概要リーフレットサムネイル
  • 0.全体概要
  • 1.VIP複合断熱パネルに関する研究開発
  • 2.高耐久超断熱材に関する研究開発
  • 3.潜熱蓄熱建材に関する研究開発
  • 4.太陽熱フル活用型暖房・冷房・給湯・マネジメントシステムに関する研究開発
  • 5.全館空調方式戸建住宅の太陽熱利用に関する研究開発
  • 6.住宅における太陽エネルギー利用拡大技術に関する研究開発

基本情報

事業期間・予算額 実施期間:平成23年度~平成28年度 予算総額:11.71億円
技術・事業分野 省エネルギー技術開発
地熱発電・再生可能エネルギー熱利用
プロジェクトコード P11005
担当部署 省エネルギー部 (TEL:044-520-5180)

詳細資料

短期的アウトカム概要(6年間の追跡調査により把握した状況)

■追跡対象企業のPJ終了後6年目のステージ状況

対象企業数:10社

上市:3、製品化:2、研究・開発を継続中:2、中止・中断:3

最終更新日:2023年4月3日

関連ページ