本文へジャンプ

機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発

事業・プロジェクト概要

事業期間:2019年度~2025年度、予算額:12.8億円(2023年度)

本プロジェクトでは成長する機能性化学品の分野で、エネルギー多消費で多くの廃棄物を排出するバッチ法を、省エネで効率的な連結フロー法に触媒技術を用いて置き換えることに加えて、プロセス情報、反応データ等を用いた合成プロセス設計技術の開発を行う。これら研究開発を産学連携で進め、従来と異なる生産プロセス・イノベーションを創出する。

  • 左図〔1〕高効率反応技術の開発に関して、それぞれに触媒A、Bが充填された管型の反応器が2つ直列に連結しています。モニタリング装置が反応物の組成を分析し反応器を制御しています。 中央図〔2〕連続分離精製技術の開発に関して、管型の連続抽出装置と連続溶媒リサイクル装置が直列に連結し、左図からの反応物を処理しています。 右図〔3〕合成プロセス設計技術の開発に関して、合成経路提案、デジタル検証、プロセスシミュレーション、高速検証が模式的に縦に繋がった図と、モニターに種々の合成経路が模式的に示されております。
    連続精密生産プロセス

研究開発内容

以下の研究開発をもとに、今後触媒技術の高度化と各種モジュールの改良を行い、フロー生産可能な多段階システム及び合成プロセス設計技術を確立します。さらに、標的化合物を用いた一気通貫システムの検証を行います。

高効率反応技術の開発

連結フロー用の触媒・反応開発を行っています。

  • 優れた固体触媒による効率の良いフロー反応を20種類以上開発し、一部で実用化を検討しました。
  • 反応器3種(一相系、二相系、反応分離)の開発を行い、一相系反応器の上市準備を行いました。
  • 高感度なオンラインICP分析法の原理を確立しました。

連続分離精製技術の開発

反応で生成する目的物質を分離します。

  • 抽出分離や膜分離、コンパクト横型蒸留塔などの分離精製の基盤技術の開発を行いました。
  • モジュールの試作や複数のモジュールの連結について検討しました。

合成プロセス設計技術の開発

PI(プロセスインフォマティクス)で設計期間を大幅に短縮します。

  • 合成プロセス設計技術の開発を開始しました。
  • 計算環境を整えデータベースの拡充や標的化合物を選定、装置設計シミュレーションの実証等を実施しました。

開発事例

一相系反応用モジュール(8g/h)で小型反応器(0.2g/h)と同じ反応成績を達成し、反応器内の温度の均一化に成功しました。

一相系反応器の写真
一相系反応器

参考リンク

プロジェクトマネージャー

プログラムマネージャーの写真
関野 雅史

CO2削減と省エネルギー、産業競争力強化を推進

連結フロー法による大幅な省エネルギー、CO2・廃棄物の削減を推進します。さらにPI(プロセスインフォマティクス)によりプロセスイノベーションを創出し機能性化学品の産業競争力を強化します。

基本情報

技術・事業分野 材料・部材
プロジェクトコード P19004
担当部署 材料・ナノテクノロジー部 (TEL:044-520-5220)

詳細資料

最終更新日:2024年2月26日

関連ページ