炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発
事業・プロジェクト概要
セルロースナノファイバー(CNF)は、バイオマス由来の高性能素材です。CNF複合樹脂を既存の繊維強化樹脂並みのコストまで低減出来れば、軽量・高強度の特性から幅広い分野へのCNFの活用が加速することが見込まれ、既存の石油由来の素材の代替となることが可能となります。
CNFの有する特性を活用することにより、部素材に対して予想もし得ない今までにない機能の付加、材料の少量化や軽量化によるCO2排出量削減に貢献できるといった利点が見込まれています。
本事業により、革新的CNF製造プロセスの技術開発を行い、用途が拡大することで、CNFの量産化が加速し、また、安全性評価、LCA評価、専門家による支援をすることで市場への展開も加速され、裾野産業まで広く裨益することが期待されます。
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樹木セルロースの階層構造
研究開発内容
CNF関連技術は大きく進展し、実用化に向けてユーザー企業からの期待が増大している一方で、市場拡大にはさらなる用途の開拓やコストダウンが切望されています。
省CO2や炭素循環社会に貢献するCNFについて、社会実装市場拡大を早期に実現させるため、以下の取組を行います。
「革新的CNF製造プロセス技術の開発」
高コスト原因となっている化学処理プロセス等の飛躍的な改良により大幅なコストを削減する。
「量産効果が期待されるCNF利用技術の開発」
樹脂等とCNFの複合材料を広く普及させていくために市場の大きい分野での用途開発を行う。
「成果普及に必要となる評価手法等の開発」
CNFの利用における信頼性向上のための安全性評価開発、ライフサイクルアセスメント視点でのCNF含有製品の評価法開発を行う。
動画
- nanotech2022 NEDO パネルディスカッション
- nanotech2023 NEDO パネルディスカッション
成果集約ホームページ
本事業に関するその他の技術動向調査等は以下のデータベースに掲載されています。ご利用にはユーザ登録が必要です(無料)。
検索条件として、本事業のプロジェクト番号「P20009」を入力してください。
セルロースナノファイバー先端開発技術者養成に係る特別講座(CNF人材育成講座)
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CNF-PP複合材の引張り強度試験
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TEMPOナノセルロースの実習
パンフレット
Focus NEDO第81号(2021年7月発行:実用化へのカウントダウン セルロースナノファイバー)
過去のプロジェクト
「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発」事業期間:2016年度~2021年度
セルロースナノファイバーの安全性評価手法に関する文書類を公開
Focus NEDO第61号(2016年6月発行:世界が注目!植物原料マテリアル ここまで来たセルロースナノファイバー)
プロジェクトマネージャー
セルロースナノファイバー(CNF)は、木材などをナノサイズまでこまかくほぐした繊維で、軽くて強く、熱による膨張が少ない寸法安定性、透明になるなど、様々な特徴を持つバイオ由来の新素材です。その用途は、食品や化粧品、シューズなど身近なものから、家電・自動車のボディ、住宅用建材など大型のものまで幅広く展開しています。
本事業では、製造コスト削減、利用用途に適したCNFや製品開発、安全性の評価など、世界の研究をリードしてきた日本のCNFをより早く広く市場に展開するための研究開発に取り組んでいます。
基本情報
技術・事業分野 | 材料・部材 |
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プロジェクトコード | P20009 |
担当部署 | 材料・ナノテクノロジー部 バイオエコノミー推進室 (TEL:044-520-5220) |
詳細資料
最終更新日:2023年6月30日