風車生産技術研究開発
事業・プロジェクト概要
第7次エネルギー基本計画では、2050年カーボンニュートラルの実現とエネルギー安全保障の両立に向け、風力発電についてもその導入拡大をはかることとしています。とりわけ洋上風力発電は再生可能エネルギーの主力電源化に向けた「切り札」として、2030年までに10GW、2040年までに浮体式を含む30~45GWの案件形成目標が設定されています。また、2025年8月に策定された「洋上風力産業ビジョン(第2次)」では、2040年までの目標として、風車の主要製品であるナセルやブレードの国内製造拠点の形成等を通じて、我が国における風力発電事業全体での国内調達比率を65%にすることや、洋上風力関連人材を約4万人育成・確保を掲げています。こうした背景のもと、本事業では、アジア太平洋地域の気象・海象条件を踏まえた浮体向けの風車および風車部品の安定供給の実現、及びサプライチェーンの強靱化に資することを目的に、技術開発を実施します。
研究開発内容
研究開発項目〔1〕:風車部品産業強靱化基盤開発
実海域における風力発電設備を対象として、風・波等の環境データを取得し、IEC 61400-1及びIEC 61400-3に記載された設計風・波モデルに適応させたモデル等を統計情報として作成します。これらの気象・海象等のデータを基に、風車部品の設計評価の高度化に資するモデルデータを構築します。また、これらのデータの取得及びモデルデータの構築に当たっては、部品製造のみならず運転保守の高度化の観点も踏まえ、これらに寄与するデータ群についても取得し、部品メーカー等が活用可能な形で整理します。
また、これらのモデルデータを活用した部品メーカーの設計検討に資する情報提供文書を利活用ケースとして作成するとともに、取得・作成したデータの共有の仕組み等を含め、事業終了後の活用方法について整理します。
なお、具体的な内容は以下を含むものとします。
- 風車及び風車部品の高度化に資するモデルデータ(気象・海象データ及び風車の部品境界領域各所の荷重データ等)の構築に向けて、アジア太平洋地域固有の環境条件や浮体式特有の各種条件も考慮した部品間の境界要件及びデータ取得手法の特定及びモデルデータの構築手法の開発
- 風車及び風車部品開発での活用を想定した実機風車データに基づくモデルデータの構築
- デジタルツイン化も含めたモデルデータ活用シナリオの構築及び継続的な活用、利用に向けた方策の検討
研究開発項目〔2〕:風車設計技術研究開発
浮体式を含むアジア太平洋地域に適した風車の開発に向け、グローバルメーカーとの協業も視野に入れつつ、複数の開発手法を想定し、それぞれの手法の長所及び短所について比較評価を行うとともに、アジア太平洋地域の環境条件を反映した風車仕様及びこれらの核となるコア技術の開発を実施します。
また、当該仕様に基づく国内部品製造及び生産工場の成立性について技術的観点から整理することにより、本事業終了後に推進すべき技術開発の方向性を具体化するとともに、後続の風車設計、実証及び量産段階への円滑な移行に資する基盤を構築します。
なお、具体的な内容は以下を含むものとします。
- 日本をはじめとしたアジア太平洋地域固有の環境条件下や浮体搭載時を想定し、風車に必要とされる各種条件の整理
- これら各種条件が風車設計等に与える影響の評価及び浮体を含むアジア太平洋地域に適した風車仕様及びこれらの核となるコア技術の検討・開発
- 当該風車仕様及びコア技術等にかかる長期的な運転保守への影響等に係る分析、国内サプライチェーン構築に向けた分析、海外OEMとの協業に係るシナリオ分析(各種知財・ライセンス等に係る分析を含む)等の実施及びサプライチェーン及び生産体制具体化に向けた方針の検討
プロジェクトマネージャー
米倉 秀徳 再生可能エネルギー部 風力・海洋ユニット長
アウトプット目標
研究開発項目〔1〕:風車部品産業強靱化基盤開発
- アジア太平洋地域固有の環境条件や浮体式特有の各種条件も考慮した部品間の境界要件及びデータ取得手法を特定。モデルデータの構築手法を確立。
- 実機風車データに基づくモデルデータの構築及びこれらのデジタルツイン化も含めた活用シナリオの構築等の基本的な設計を完了。作成したモデルデータの継続的な活用、利用に向けた方策を策定。
- 運転期間の各季データを網羅した年間データ取得率90%以上。
研究開発項目〔2〕:風車設計技術研究開発
- アジア太平洋地域に適した風車・浮体搭載用風車及びこれらに必要となるコア部品の概念設計を完了。
- 風車の国産化に向けて、風車サプライチェーン構築のシナリオを作成。
アウトカム目標
アジア太平洋地域の気象・海象条件を踏まえた浮体向けの風車が安定的に調達、供給できる体制を2040年までに築くことで、2040年までの洋上風力発電30~45GW、うち浮体式15GWの案件形成目標、及びライフタイム全体での国内調達比率65%の達成に貢献する。温室効果ガス排出削減量として約1.1億トン-CO2/年(2050年)を見込む。
プロジェクト線表

基本情報
| 事業期間・予算額 | 実施期間:2026年度~2028年度、2026年度予算:9.5億円 |
|---|---|
| 技術・事業分野 | 風力発電 |
| プロジェクトコード | P26017 |
| 担当部署 | 再生可能エネルギー部 (TEL:044-520-5270) |
詳細資料
最終更新日:2026年9月1日