地熱発電所の冷却塔排気を対象とした環境影響評価を効率的に実施するための技術ガイドライン
2021年12月1日
NEDOは、地熱発電の導入拡大を目指して2013年度より「地熱発電技術研究開発」に取り組んでおり、委託先である東北緑化保全(株)、(一財)電力中央研究所、東京情報大学、(株)ガステックと共同で、地熱発電所の冷却塔排気を対象とした環境影響評価(環境アセスメント)を効率的に実施するための技術ガイドライン3件を策定し、公表しました。
本ガイドラインを活用することで、環境アセスメントの円滑化や、開発期間短縮によるコスト低減効果などが期待できます。これにより、自然環境との調和を図りながら地熱発電所の導入拡大の促進を目指します。
(1)
地熱発電所の冷却塔から排出される硫化水素の予測手法の基本的な考え方に関するガイドライン (943KB)
本ガイドラインでは、環境アセスメントにおける二つの予測モデルの適切な使い分けや予測・評価条件を明確化し、最適な数値計算を実施するための考え方を取りまとめています。
(2)
地熱発電所におけるUAVを用いた樹木モニタリング調査手法ガイドライン (2.3MB)
本ガイドラインでは、新たな調査手法としてマルチスペクトルカメラを搭載したUAV(Unoccupied Aerial Vehicle: 無人航空機、ドローン)で撮影した画像から植生指数※1を算出し、植物の状態を客観的かつ迅速に確認する具体的な作業手順や分析方法などを取りまとめました。
(3)
地熱発電所の新設・更新に係る冷却塔から排出される蒸気による樹木への着氷影響に関する環境配慮ガイドライン (1.6MB)
本ガイドラインでは、冷却塔から排出される蒸気による着氷の成長率を定量的に予測する手法を開発し、樹木への着氷の影響に対する環境配慮を進めていく際の手順などを取りまとめています。
(注釈)
- ※1 植生指数
- 植物による光の反射の特性を利用して、植生の状況を把握することを目的として考案された指標です。植物の量や活性を表しています。数値はマイナス1から1の範囲で表され、1に近いほど活性が高いことを示します。
- NEDO事業
-
- 事業名:
- 地熱発電技術研究開発/発電所の環境保全対策技術開発/冷却塔排気に係る環境影響の調査・予測・評価の手法に関する研究開発
- 事業期間:
- 2019~2021年度
- 委託先:
- 東北緑化環境保全株式会社、一般財団法人電力中央研究所、学校法人東京農業大学 東京情報大学、株式会社ガステック
問い合わせ先
新エネルギー部 熱利用グループ
E-mail:thermalgroup@ml.nedo.go.jp