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地熱発電の調査・評価手法の最適化などに関する技術開発に着手

―環境アセスメントの円滑化による地熱発電の導入拡大を目指す―
2019年6月13日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 石塚博昭

NEDOは、地熱発電の環境アセスメント円滑化を目指した技術開発に着手します。

本事業では、地熱発電所の冷却塔から排出される硫化水素や蒸気の大気環境や植生に及ぼす影響調査・予測・評価手法の最適化・期間短縮化に関する技術開発に取り組みます。最終的には、本技術開発を通じて得られた知見をガイドラインなどに取りまとめ、一般の地熱開発事業者へ広めることで環境アセスメントを円滑化し、開発期間を短縮させ開発コストを抑制することなどにより地熱発電の導入拡大を目指します。

  • 地熱発電所の環境影響評価において重要な環境要素の区分と今回採択したテーマの位置付けを表した図
    図 地熱発電所の環境影響評価において重要な環境要素の区分と今回採択したテーマの位置付け

1.概要

世界第3位となる地熱資源ポテンシャルを有する日本では、地熱発電は、安定した出力が得られることから、ベースロード電源※1として地熱発電に大きな期待がかかっています。2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」においても、2030年の長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)実現に向けて地熱発電の導入見込量(地熱発電容量)として最大で約155万kWの導入拡大が掲げられました。

近年の地熱分野では、大型の新規開発案件が進捗していますが、一般に地熱などの環境アセスメントは3年から4年必要であり、2030年度の導入目標達成に向けては、新規案件の発掘とともに開発を迅速に進めるための環境アセスメントの円滑化が重要です。

このような背景のもと、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、地熱発電の導入拡大を促進するため、2013年度より「地熱発電技術研究開発※2」を立ち上げ、環境保全対策に関する技術開発などに取り組み、景観や生態系に配慮した設計支援ツール「エコロジカル・ランドスケープ手法」開発や、水環境(温泉)と地熱の共生のための「温泉モニタリング装置」開発などの成果を上げてきました(図参照)。

今般、NEDOは、環境アセスメントの円滑化を目指した技術開発に着手します。具体的には、地熱発電所の冷却塔から排出される硫化水素や蒸気の大気環境や植生に及ぼす影響調査・予測・評価手法の最適化・期間短縮化に関する技術開発に取り組みます。最終的には、本技術開発を通じて得られた知見をガイドラインなどに取りまとめ、一般の地熱開発事業者へ広めることで環境アセスメントを円滑化し、開発期間を短縮させ開発コストを抑制することなどにより地熱発電の導入拡大を目指します。

2.採択テーマと委託予定先

採択テーマ名 委託予定先
冷却塔排気に係る環境影響の調査・予測・評価の手法に関する研究開発 東北緑化環境保全株式会社
一般財団法人電力中央研究所
学校法人東京農業大学 東京情報大学
株式会社ガステック

【注釈】

※1 ベースロード電源
自然条件によらず安定的な運用が可能なエネルギー源を「ベースロード電源」「ミドル電源」「ピーク電源」の3つの電源構成に区分けすることができます。そのうち「ベースロード電源」は、発電(運転)コストが低廉で安定的に発電することができ、昼夜を問わず継続的に稼働できる電源であり、「地熱」のほか「水力」「原子力」「石炭」などのエネルギー源が該当します。それに対し、「ミドル電源」は発電(運転)コストがベースロード電源の次に安価で、電力需要の動向に応じて出力を機動的に調整できる電源で、「液化天然ガス」「プロパンガス」が該当し、「ピーク電源」は発電(運転)コストは高いが、電力需要の動向に応じて出力を機動的に調整できる電源で、「石油」「揚水式水力」が該当します。 自然条件で発電量が変わる風力や太陽光などは、いずれの分類にも該当しません。
※2 地熱発電技術研究開発
事業期間:2013~2020年度
事業予算:約87億円(2013~2020年度)※2020年度の予算は予定

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:加藤、讃岐 TEL:044-520-5183

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、中里、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp