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無人航空機の遠隔からの機体識別技術などの研究開発に着手
―安全な目視外飛行と有人航空機との同一空域での運用を目指す―

2019年6月27日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 石塚博昭

NEDOは、ドローンなどの無人航空機を活用したビジネスモデルの普及が見込まれることを想定し、無人航空機を遠隔から識別する技術などの研究開発事業に着手します。

具体的には、遠隔からの機体識別に必要な送信機・受信機を取り付けた無人航空機の機体識別情報と位置情報を共有する通信システムのプラットフォームと、有人航空機と無人航空機の空域共有を想定した飛行情報共有システムを開発します。さらに、それらを運航管理システムに統合するためのアーキテクチャー(設計概念)やアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、データフォーマットを策定するほか、システム全体のセキュリティー対策なども検討します。

本事業を通じて、複数の有人航空機と無人航空機の空域共有に必要な通信システムと情報共有システムを確立し、有人航空機の飛行情報に関する仮想情報シミュレーターなどを用いた運航管理システムとの相互接続性の評価を実施することで、無人航空機の安全な目視外飛行の実現を目指します。

本事業の全体イメージ図
図 本事業の全体イメージ

1.概要

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、2017年度より「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト※1」において、物流や災害対応などの分野での活躍が期待されるドローンなどの無人航空機の目視外飛行の実現を目指した研究開発を実施しています。具体的には、同一空域内での複数の有人航空機や無人航空機の同時運航を可能とするために、安全性や省エネルギー効率の観点を考慮した無人航空機の運航管理システムに関する研究開発やアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)※2の公開、無人航空機によるほかの航空機などの検知・衝突回避の技術に関する研究開発などを実施しています。

今般、NEDOは、本プロジェクトにおいて、無人航空機を遠隔から識別する技術などの研究開発事業に着手します。

具体的には、遠隔からの機体識別に必要な送信機・受信機を取り付けた無人航空機の機体識別情報と位置情報を共有する通信システムのプラットフォームを開発します。また、有人航空機と無人航空機の空域共有を想定した飛行情報共有システムの開発にも取り組みます。さらに、それらを、本プロジェクトで研究開発を進めている運航管理システムに統合するためのアーキテクチャー(設計概念)やAPI、データフォーマットを策定するほか、システム全体のセキュリティー対策なども検討し、今後、福島ロボットテストフィールド※3(福島県南相馬市および浪江町)などで実施される無人航空機の運航管理試験に反映することで、安全な無人航空機の目視外飛行の実現を目指します。

2.事業内容

(1)事業名

ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/研究開発項目〔2〕無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発(1)無人航空機の運航管理システムの開発/6)遠隔からの機体識別に関する研究開発

(2)実施期間

2019年度~2021年度予定

(3)採択テーマと委託予定先

採択テーマ名 委託予定先
遠隔からの機体識別および有人航空機との空域共有に関する研究開発 日本電気株式会社
株式会社日立製作所
株式会社NTTドコモ
KDDI株式会社
テラドローン株式会社
株式会社NTTデータ
国立研究開発法人情報通信研究機構
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

【注釈】

※1 ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
プロジェクト期間は2017~2021年度の5年間。2019年度予算は約36億円。
※2 アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)
プログラムやソフトウェアの機能を共有する仕組みです。APIをインターネットに公開することで、国内外の事業者にサービスを提供することができます。
※3 福島ロボットテストフィールド
物流、インフラ点検、大規模災害などに活用が期待される無人航空機、災害対応ロボット、水中探査ロボットといった陸・海・空のフィールドロボットを主対象に、実際の使用環境を拠点内で再現しながら、研究開発、実証試験、性能評価、操縦訓練を行うことができる拠点です。福島県南相馬市および浪江町で2018年度から順次開所しています。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:宮本、永松、寺島 TEL:044-520-5241

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、坂本、中里 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp