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機能性材料の高速開発を実証する2つの研究開発テーマを採択
―シミュレーターの活用で革新的機能性材料の開発期間短縮を目指す―

2019年8月1日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 石塚博昭

NEDOは、「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」で開発したシミュレーターなどを機能性材料の開発に適用し、試作回数・開発期間の削減・短縮を実証することを目的に新たな研究開発テーマ2件を採択しました。

本事業では誘電材料をはじめとする有機・高分子系機能性材料を対象に、シミュレーターなどによる高度な計算科学、高速開発・革新プロセス技術および先端ナノ計測評価技術に基づいて作成したデータ群と、人工知能(AI)技術などを融合した革新的な材料開発基盤の構築により、機能性材料開発の試作回数・開発期間を従来比1/20に削減・短縮することを目指します。

1.概要

有機・高分子系機能性材料は、日本の素材産業が高い競争力を有する分野であり、省エネ効果や複合化による多種類の機能発現などの性能向上が期待されています。しかし、従来の機能性材料開発は、開発者の“経験と勘”に基づく仮説の検証や多数の実験など時間のかかる手法で進められてきました。

そこで、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、誘電材料、コンポジット材料、ポリマーブレンド、触媒、ナノカーボン材料、半導体などの有機・高分子系機能性材料を対象に、シミュレーターによる高度な計算科学、高速開発・革新プロセス技術および先端ナノ計測評価技術に基づいて作成したデータ群と、人工知能(AI)技術などを融合し、従来の開発者の経験と勘に依存する材料開発と比べて試作回数・開発期間をそれぞれ1/20に削減・短縮することを目標とする材料設計基盤技術の研究開発プロジェクト※1に2016年度から取り組んでいます。本事業では、革新的機能性材料の開発を支援するためのシミュレーターを開発し、2019年4月に公開※2しました。

開発したシミュレーターなどは、広範な有機・高分子系機能性材料の開発に早期に適用可能と考えられたため、今般、新たに助成事業として、シミュレーターなどを実際の機能性材料開発に応用し、試作回数・開発期間の削減・短縮を実証する研究開発テーマ2件を採択しました。

2.採択テーマと助成予定先

  • 研究開発項目:基盤技術等を活用した機能性材料の開発
  • 事業期間:2019年度から2021年度
採択テーマ名 助成予定先
相分離シミュレーションを活用した非溶媒誘起相分離による革新分離材料の研究開発 東レ株式会社
高速通信用次世代対応フレキシブル誘電材料の研究開発 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社

【注釈】

※1 研究開発プロジェクト
:超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト
事業期間:2016年度~2021年度
※2 2019年4月に公開

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 材料・ナノテクノロジー部 担当:三宅、岡本、吉岡 TEL:044-520-5220­

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、中里、佐藤 TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp