本文へジャンプ

有楽町マルイにて「AIタッチラリー」実証実験を実施
―店舗内の回遊行動と“体験した瞬間”の感情の履歴を捉え、新たな分析を実現―

2019年9月12日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
国立研究開発法人産業技術総合研究所
株式会社ABEJA
株式会社丸井グループ

NEDOと産業技術総合研究所、(株)ABEJAは、(株)丸井グループと共同で、9月14日から9月16日まで、有楽町マルイにて「AIタッチラリー」実証実験を実施します。

本実証実験では、店舗に来店した顧客に非接触型通信機能(NFC)が組み込まれたリストバンドを配布し、顧客が各テナントの入り口に設置されたNFC機器にタッチすることで、店舗内の顧客の回遊行動を記録するほか、各テナントを訪れた際の感情を、顧客自身で入力します。これによって記録した回遊行動と感情を、人工知能(AI)技術の確率モデリング技術によって分析することで、新たな顧客セグメントの分析を実現します。

今後は、本実験で得られた顧客の行動と感情を分析して、顧客の満足度を向上させる店舗運営・経営施策などの提言が可能なAI技術を開発するとともに、開発したAI技術の実証を目指します。

1.概要

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発研究機構(NEDO)と国立研究開発法人産業技術総合研究所、株式会社ABEJAは、人工知能(AI)技術の社会実装の実現に向けた研究開発事業※1を昨年度に開始しています。

NEDOと産業技術総合研究所、(株)ABEJAは、株式会社丸井グループと共同で、9月14日から9月16日まで、有楽町マルイにて、「AIタッチラリー」実証実験を実施します。

「AIタッチラリー」実証実験では、店舗に来店した顧客に非接触型通信機能(NFC)が組み込まれたリストバンドを配布し、顧客が各テナントの入り口に設置されたNFC機器にタッチすることで、店舗内の顧客の回遊行動を記録します。また、各テナントを訪れた際の感情(”すごい”や”面白い”など)を、顧客自身で投影式タッチスクリーンに入力します。これによって記録した回遊行動と時間と場所に同期した感情を、産業技術総合研究所がNEDO事業※2で開発したAI技術の確率モデリング技術※3によって分析することで、行動と気分の異質性に基づく新たな顧客セグメントの分析を実現します。

具体的には、店舗のテナントや店舗内で開催されるイベントが、顧客の購買行動や満足度に与える影響を評価するにあたって、どの様なテナントを体験し、その時にどの様な感情を持ったかという反応の違いでテナントと参加者が分類されます。また、参加者がどのテナントを体験するとどんな気分になるか、ある気分になるにはどのようなテナントに行くと良いか、などのより詳細な分析、予測やナビゲーションなどが可能となります。

一通り体験して回ったのちには、自身の回遊をデジタルサイネージ上の電子マップによって振り返ることが出来る場所もあり、そこでは自分が関心を持っている領域を改めて知るきっかけにもなり、結果として参加者に対するSDGsなどの社会課題解決への啓発効果も期待されます。

今後は、本実験で得られた顧客の行動と感情を分析して、顧客の満足度を向上させる店舗運営・経営施策などの提言が可能なAI技術を開発するとともに、開発したAI技術の実証を目指します。

2.実証実験について

日時:
9月14日(土) 11時00分~21時00分
9月15日(日) 10時30分~21時00分
9月16日(月・祝) 10時30分~20時30分
会場:
有楽町マルイ(東京都千代田区有楽町2丁目7-1)
同日有楽町マルイで開催されているインクルージョンフェス※4内で開催。
参加予定者数:
1日あたり1,000名まで

【注釈】

※1 研究開発事業
事業名:次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発/
人工知能技術の適用領域を広げる研究開発/
AI技術導入の加速とスパイラルアップ技術に関する研究開発
事業期間:2018~2022年度(予定)
※2 NEDO事業
事業名:次世代人工知能・ロボット中核技術開発/
次世代人工知能技術分野/
人間と相互理解できる次世代人工知能技術の研究開発
事業期間:2015~2019年度
※3 確率モデリング技術
データから、そのデータによく適合する確率分布を推定する技術。推定した確率分布を用いて、一部の変数の値が観測された場合の他の変数の値を予測することなどができる。ここでは、産業技術総合研究所が開発した確率的潜在意味構造モデリングのためのアプリケーションである「確率モデリング・確率推論プログラム(PLASMA-N)」、および生活・サービス現場の現象(場所・時間・原因・結果・理由)を大量・高品質にデータ化するためのAI応用システムの開発環境である「対話アプリ開発環境(POSEIDON-N)」を指す。
※4 インクルージョンフェス
(株)丸井グループが開催するイベントで、(株)丸井グループが進めるインクル―ジョンの取り組みへの共感の輪を拡げるため、さまざまなテーマに沿ったブースや展示などを楽しみながら体験してもらうイベント。今回は有楽町マルイにて、9月14日(土)から16日(月・祝)の3日間開催。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:登、柳本、中井、金山 TEL:044-520-5241
産業技術総合研究所 人工知能研究センター 担当:本村 TEL:03-3599-8914
(株)丸井グループ 総務部広報室 TEL:03-3384-0101 ※10時~18時(水・日除く)

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、坂本、中里 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

関連ページ