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デジタル物流情報プラットフォームによる企業間データ活用の仕組み作りを開始
―物流課題を解決するサービス創出、スマート・ロジスティクスの実現を目指す―

2019年9月25日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 石塚博昭

NEDOの「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」で(株)Hacobuは、物流業務の輸配送データを自由にやりとりするためのデジタル物流情報プラットフォームを介する企業間データ活用の仕組み作りを開始します。

具体的には、各物流サービスとそれにひもづく各種データとを切り分け、荷物の位置情報などのデータのみを収集できるプラットフォームを構築した上で、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を活用して、物流事業者間で各種データを共有できるシステムを開発します。

当該プラットフォームの活用によって、ドライバーの人手不足・高齢化、トラックの長時間待機、低い積載効率などの物流課題を解決するサービスの創出・向上を促進し、データに基づく物流の最適化を推し進めることで、「スマート・ロジスティクス」の実現に寄与することを目指します。

位置情報のプラットフォームを通じたデータ連携・利用のイメージ図
図 位置情報のプラットフォームを通じたデータ連携・利用のイメージ

1.概要

日本の物流業界は、ドライバーの人手不足・高齢化をはじめ、トラックの長時間待機や積載効率の低さなど、多くの深刻な課題に直面しており、それらを解決するために「サプライチェーン全体の効率化」「物流の透明化・効率化」が求められています。そのためには、(1)どのような荷物が、(2)どこからどこの場所に、(3)いつ、(4)どのような運搬手段で運ばれているのか、といったデータを業界や会社の枠を超えて蓄積・分析し、複数のステークホルダーを巻き込んで物流を効率化することが求められています。しかし、物流業界では情報伝達の大半がいまだにファクシミリや紙媒体で行われており、デジタル化されている一部の情報も企業の枠を超えた利用が進んでいないのが現状です。一方で、物流シェアリングや運行管理システムなどのデータ活用型サービスは増加しつつあるものの、データ蓄積とサービス提供が一体化しているため、乱立するサービスの数だけデータが分散化されてしまい、物流事業者を横断するデータの活用が課題となっています。

今般、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の業界共用データ基盤の開発などを支援する「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業※1」で株式会社Hacobuは、物流業務の輸配送データを自由にやりとりするためのデジタル物流情報プラットフォームを介する企業間データ活用の仕組み作りを開始します(図参照)。

具体的には、標準化が進んでいる位置情報を手始めに、データを保有する事業者のサーバーから当該プラットフォームにリアルタイムに連携するためのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)※2と基盤を開発します。また、プラットフォームの普及促進のためには、プラットフォームのデータを活用した物流課題解決ソリューションの効果的なユースケースが不可欠であることから、プラットフォームを活用した物流向けアプリケーション・サービスを開発します。

また、本事業では、当該プラットフォームを複数の事業者が利用するために必要な標準APIの仕様検討や各種物流データの標準化を検討するための協議会を開催します。

サービス提供開始後は、プラットフォームに蓄積したデータを、APIを通じて接続する事業者に一定のルールに基づき公開、異なる業界や企業の枠を超えたデータ利用を活性化し、ドライバーの人手不足・高齢化、トラックの長時間待機、低い積載効率などの物流課題を解決するサービスの創出・向上を促進し、データに基づく物流の最適化を推し進めることで、「スマート・ロジスティクス」の実現に寄与することを目指します。

2.採択テーマと助成事業者

事業名:
Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業/業界共用 データ基盤の開発/運輸データオープンプラットフォーム構想(MOVOプラットフォーム構想)
助成先:
株式会社Hacobu
事業期間:
2019年度から最長2021年度

【注釈】

※1 Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業
Connected Industries重点5分野を中心に、海外や他分野に横展開可能で、スタートアップなどの新規プレーヤーに開放的なデータエコシステムの構築につながる業界横断型AIシステムの開発と業界共用データ基盤の開発を通じて、AIシステムとデータプラットフォームが一体となったAI・データエコシステムの成功事例を創出し、国内企業にとどまらない幅広いデータ連携による価値の創出を促進します。
※2 アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)
あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のことです。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部 担当:山本、大宮、工藤 TEL:044-520-5211 E-mail:cip@ml.nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、中里、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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