本文へジャンプ

「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」を開始
―AIシステムの導入を加速し労働生産性向上に貢献―

2020年7月21日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 石塚博昭

NEDOは「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」を開始しました。本事業では、人が人工知能(AI)の推論過程や推論根拠から新たな知見や気付きを得ると同時に、AIが人の知見により推論精度を高め、人とAIが共に進化することが可能となるAIの開発などを行います。これにより、AIシステムの導入を促進し、専門家の育成や労働者の新たなスキルの習得を効率化すると同時に、2030年に労働生産性20%以上(2020年度比)の向上に貢献することを目指します。

本事業の概要
図 本事業の概要

1.概要

日本では生産年齢人口の減少による人手不足とともに労働生産性の向上が大きな課題となっており、人工知能(AI)は、こうした課題の解決につながる技術の一つとして期待されています。しかし、特に医療、交通、教育など、AIの推論結果が社会的・経済的に大きな影響を及ぼす分野では、AIの推論結果を人間が理解できず判断の材料として使えないことや、AIの品質を評価・管理する手法が完全には確立されていないことなどから、AI技術の導入は限定的となっています。また、AIの推論精度を高めるには一般的に大量のデータを必要としますが、例えば、製造現場における異音検知などの場合には必要な精度を持つデータが収集困難であることや、データが大量に収集できてもタグ付けなどの前処理にコストがかかることが、AI技術の導入の課題となっています。

こうした背景から、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2020年度から2024年度までの5年間のプロジェクトとして、「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」を開始しました。具体的な研究開発内容は以下の通りです。

  • 人とAIが協業しながら共に成長し進化する「人と共に進化するAIシステム」の基盤技術開発
  • 機械学習を利用したAI システムの品質評価・管理手法の確立
  • 大量の学習用データを用いた「汎用学習済みモデル」によって、少量の学習用データでAIシステムを効率的に作成可能にするプラットフォームの構築

これらの技術開発によりAIシステムの導入を促進し、2030年に日本産業の労働生産性20%以上(2020年度比)の向上に貢献することを目指します。なお、本事業では、2020年度29.3億円の予算を計上しています。

2.事業概要

事業名:
人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業
実施期間:
2020年度~2024年度(予定)
予算:
29.3億円(2020年度)
研究開発項目〔1〕:
人と共に進化するAIシステムの基盤技術開発
〔1〕-1 人と共に進化するAIシステムのフレームワーク開発
〔1〕-2 説明できるAIの基盤技術開発
〔1〕-3 人の意図や知識を理解して学習するAIの基盤技術開発
研究開発項目〔2〕:
実世界で信頼できるAIの評価・管理手法の確立
研究開発項目〔3〕:
容易に構築・導入できるAIの開発

3.各研究開発項目の概要

研究開発項目〔1〕:人と共に進化するAIシステムの基盤技術開発

AIの推論結果が社会的・経済的に及ぼす影響が大きい分野・タスクに適用が広まらない要因として、AIの推論結果を人間が理解・納得できないという問題があります。

本開発では推論過程や推論根拠を示す説明できるAIと、人の知識を理解するAIの開発を行います。これにより、人はAIの推論過程や推論根拠から新たな知見や気付きを得ることができ、AIは人の知見により推論精度を高めることができます。このように人とAIが相互に理解・学習することにより、人とAIが共に進化し、幅広い分野へのAIの適用を目指します。

研究開発項目〔2〕:実世界で信頼できるAIの評価・管理手法の確立

貸付審査、医療診断、自動運転などにAIシステムが適用され判断が誤りだった場合には、社会的・経済的影響が大きいため、AIの品質評価・管理手法が確立されていることが重要ですが、AIシステム分野では、いまだ確立されていません。

本開発では、実際の事例をベースに、評価項目・指標・目的など明示化した具体的な品質評価・管理ガイドラインの策定や推論結果の安定性の計測技術・向上技術などの品質評価・管理手法の開発、それらの過程で生じる膨大な検査データや統計的なデータなどを統合的に取り扱うことができるテストベッドの開発などを行ない、国内ビジネスにおいてAIシステムの品質マネジメントに広く用いられることによるデファクトスタンダード化を目指したAIの評価・管理手法を確立します。

研究開発項目〔3〕:容易に構築・導入できるAIの開発

AIを実世界に浸透させるため、容易に構築・導入できるAIの開発を行います。大量の学習用データを用いて汎用学習済みモデルを構築し、少量のデータでAIシステムを効率的に作成するためのプラットフォームを構築します。

具体的には、画像や動画、言語など異なるタイプのデータによる汎用学習済みモデルを効率的に構築する技術の開発、実応用分野に分かれた準汎用学習済みモデルの開発、それら学習済みモデルを組み合わせてさまざまな分野において少量データで高精度のモデルを構築する技術の開発、データや構築されたモデルを効率的に管理して利活用を容易にするための技術の開発などを行います。これにより、大型の計算資源を用いず、少量データでさまざまな目的にあったAIシステムを効率的に作成するためのプラットフォームを構築します。

pdf(別紙) 研究開発テーマおよび実施予定先一覧(60KB)

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:小村、古畑、大塚、仙洞田 TEL:044-520-5242­ E-mail:project_coevo@nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、坂本、鈴木(美) TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

関連ページ