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航空機の燃費改善に向け、新たに6件の複合材料の研究開発に着手
―CO2排出量の削減と航空機産業の国際競争力強化を目指す―

2020年9月17日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 石塚博昭

NEDOは航空機の燃費改善や日本の航空機産業の国際競争力強化を目指し、新たに6件の複合材料の研究開発事業に着手しました。本事業では、複合材料などの関連技術開発を中心として、航空機に必要な信頼性・コストなどの課題を解決するための要素技術を開発します。これにより、航空機の燃費改善によるエネルギー消費量の削減と2040年に1500万トンのCO2排出量の削減、航空機産業の国際競争力の強化を目指します。

1.概要

航空機産業では、CO2排出量の削減のため、航空機の軽量化やエンジンの燃焼効率向上による燃費の改善が期待されています。また、国際的な産業競争が激化しており、燃費改善用の部材や加工技術開発などが急務となっています。

近年、航空機の構造部材には、従来の金属部材に代わり軽量化を目的として炭素繊維強化プラスチック(CFRP※1)が積極的に導入されてきました。しかし、今後航空機需要の70%を占めると予想される細胴機※2では金属材料が主流であり、細胴機へのCFRPの適用に向けて、よりコストが低く生産性の高い成形組立技術の開発が必要です。

また、航空機エンジンの燃焼効率向上に向けて、金属材料(ニッケル合金)より3分の1程度軽量で耐熱性に優れたセラミックス基複合材料(CMC※3)の活用が期待されています。なかでも、耐熱温度の高い炭化ケイ素(SiC※4)を用いたCMCの1400℃級航空機エンジン部材への早期実用化が期待されています。

こうした背景から、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、航空機の燃費改善、環境適合性向上、整備性向上、安全性向上のため、航空機への適用を想定したCFRPやCMCといった複合材料について、新たに6件の研究開発事業に着手しました。本事業では、複合材料などの関連技術開発を中心として、航空機に必要な信頼性やコストなどの課題を解決するための要素技術を開発します。

これにより、航空機の燃費改善によるエネルギー消費量の削減や、2040年に1500万トンのCO2排出量の削減を目指します。また、同時に、整備性向上、安全性の向上を目指すほか、日本の部素材産業および加工・製造産業の国際競争力強化を目指します。

本事業においては、プロジェクトリーダーに岡部朋永教授(国立大学法人東北大学大学院航空宇宙工学専攻)を指名し、実施予定先と連携し、成果の最大化を図ります。

  • プロジェクト概要
    図 プロジェクト概要

2.事業の内容

【1】事業名

次世代複合材創製・成形技術開発

【2】事業期間

  • 研究開発項目(1)~(3):2020年度~2024年度(予定)
  • 研究開発項目(4)~(6):2020年度~2022年度(予定)

【3】研究開発テーマ名および実施予定先一覧

今回、新たに研究開発に着手したテーマは以下の6件です。

研究開発項目 研究開発テーマ名 実施予定先
(1) 複合材時代の理想機体構造を実現する機体設計技術の開発 国立大学法人東北大学
(2) 熱可塑性CFRPを活用した航空機用軽量機体部材の高レート成形技術の開発 新明和工業株式会社
川崎重工業株式会社
株式会社ジャムコ
(3) 航空機部品における複合部材間および他材料間の高強度高速接合組立技術の開発 東レ株式会社
(4) 超高性能SiC繊維の品質安定性向上に向けた開発 宇部興産株式会社
(5) 1400℃級CMC材料の実用化研究開発 株式会社IHI
シキボウ株式会社
(6) 高レート・低コスト生産可能なCMC材料およびプロセス開発 川崎重工業株式会社

【注釈】

※1 CFRP
Carbon Fiber Reinforced Plasticの略で、炭素繊維強化プラスチック。
※2 細胴機
乗客200名以下で、客室内に1本の通路を挟んで客席が配置されている小型の旅客機のこと。
※3 CMC
Ceramic Matrix Compositeの略で、セラミックス基複合材料。
※4 SiC
Silicon Carbideの略で、炭化ケイ素(ケイ素と炭素の化合物)。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 材料・ナノテクノロジー部 担当:長島、飯山、桑原、松井 TEL:044-520-5220

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、鈴木(美) TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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