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革新的なマテリアル技術の創出に向けて8件の研究開発に着手
―プロセスインフォマティクスやウイルス対策技術など、挑戦的な研究開発を推進―

2021年6月8日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 石塚博昭

NEDOは将来の国家プロジェクトなどにつながる革新的なマテリアル技術の先導研究として、このたび8件の研究開発に着手しました。

本先導研究は15年から20年以上先の新産業創出に結びつく革新的なマテリアル技術のシーズを育成することを目的としており、採択した8件の研究開発で「プロセスインフォマティクス技術」や「スーパーファインセラミックス技術」、「革新的な資源マテリアルプロセス技術」、「ウイルス感染症対策向け新規マテリアル関連技術」に取り組みます。これにより、データ駆動型ものづくりや、ポスト5G技術の中核マテリアル、サプライチェーンの安定化・国内化、迅速なウイルス対策といったイノベーションの実現を目指します。

1.概要

新型コロナウイルス感染症の拡大や世界規模の異常気象、各国企業・政府間での技術覇権争いの激化、持続可能な開発目標(SDGs)への意識の高まりなど、イノベーションを巡って大きな情勢変化が起きていることを踏まえ、政府は2020年7月に「統合イノベーション戦略」を閣議決定しました。本戦略では、日本が強みを有するものの競争力が失われつつあるマテリアル分野を、戦略的に推進していくべき重要な技術基盤と位置付けており、2021年4月には「マテリアル戦略」が策定されました。

これを受け、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は先導研究によって15年から20年以上先の新産業創出に結びつく革新的なマテリアル技術のシーズを育成し、将来の国家プロジェクトなどにつなげる「マテリアル革新技術先導研究プログラム※1」として、このたび8件の研究開発テーマを採択しました。

2.マテリアル革新技術先導研究プログラムの内容

2021年度は四つのテーマ区分を設定し(図1)、マテリアル分野の育成に向けた革新的な研究開発の公募を行いました。テーマ区分はそれぞれ「目指すべき社会像」を掲げ(表1)、マテリアル分野におけるイノベーション創出に向けた研究開発を推進します。

  • 2021年度に設定した四つのテーマ区分の図
    図1 2021年度に設定した四つのテーマ区分
表1 四つのテーマ区分と目指すべき社会像
テーマ区分 概要 目指すべき社会像
A.データを活用した革新的マテリアル製造プロセスインフォマティクス技術の開発 多種多量なデータの計測解析、ものづくりの技術やノウハウ、シミュレーション技術を高度に融合したプロセスインフォマティクスにより、開発や量産スケールアップを大幅に加速する 製造現場が有する知見・ノウハウをプロセスデータとして活用することで、データ駆動型のものづくりを実現
B.超高品質・超高信頼性・超耐久性を有するスーパーファインセラミックスを実現する基盤技術の開発 ポスト5G高速通信技術の中核マテリアルとして、超高品質・超高信頼性・超耐久性を有する革新的ファインセラミックスの基盤技術を開発する ポスト5Gサービスを安定・安全・安心に利用可能とすることでSociety 5.0を実現
C.資源産出国への実質的転換を実現する革新的マテリアルプロセス技術の開発 希少資源や特定産出国に依存した資源の革新的な回収・使用量低減・代替技術を開発する 原料の価格高騰・供給途絶リスクを解消し、サプライチェーンの安定化・国内化で産業競争力の維持・向上に貢献
D.ウイルス感染症対策の社会実装を加速する新規マテリアル関連技術の開発 ウイルスの不活化・除去技術や、ウイルスや感染者を簡便に検知・可視化するマテリアル技術の開発によりウイルス感染症対策の社会実装を加速させる ウイルス感染症への迅速かつ的確な対応を可能とし、社会・経済活動への影響を最小限に抑制

3.採択テーマおよび委託予定先一覧

今回、新たに研究開発に着手したテーマは以下の8件です。

テーマ区分 採択テーマ 委託予定先
A SiCバルク成長技術の革新に向けたプロセスインフォマティクス技術の研究開発 一般財団法人電力中央研究所
国立大学法人東海国立大学機構 (名古屋大学)
国立研究開発法人理化学研究所
Mipox株式会社
アイクリスタル株式会社
水分解水素製造用光触媒結晶のマテリアルDX研究開発 国立大学法人信州大学
デクセリアルズ株式会社
データ駆動科学によるスマートスケーラブルケミストリーの確立 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
JSR株式会社
学校法人慶應義塾
B ファインセラミックスのプロセスインフォマティクス基盤構築 国立研究開発法人産業技術総合研究所
一般財団法人ファインセラミックスセンター
株式会社 村田製作所
京セラ株式会社
日本特殊陶業株式会社
日本ガイシ株式会社
一般社団法人 日本ファインセラミックス協会
C 濃縮海水を原料とするMgのグリーン新製錬技術開発 学校法人関西大学
株式会社戸畑製作所
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人 東京大学
一般社団法人日本マグネシウム協会
D 人工ルシフェリンによるウイルス検知・可視化 国立研究開発法人産業技術総合研究所
空間内ウイルスを強力分解する革新素材の研究開発 東レ株式会社
学校法人麻布獣医学園 麻布大学
生体無害ウイルス不活化230nm深紫外LEDパネルの研究開発 株式会社ファームロイド
国立研究開発法人理化学研究所

4.今後の予定

今回採択したテーマの推進に加えて、マテリアル分野のイノベーション創出に向けた下記の取り組みを予定しています。

(1)マテリアル革新技術先導研究プログラムの情報提供依頼

マテリアル革新技術先導研究プログラムを含むNEDO先導研究プログラムでは、取り組むべき研究開発内容の情報提供依頼(RFI)を通年で実施しています。詳細は下記の先導研究プログラムのページをご参照ください。また、2022年度以降の先導研究プログラムの実施に向けたRFIについては、後日改めてNEDOのホームページ上で公表する予定です。

(2)調査事業の実施

マテリアル分野の重要技術のシーズ発掘を目的とした調査事業を行います。詳細は後日NEDOホームページにて公表する予定です。

【注釈】

※1 マテリアル革新技術先導研究プログラム
事業期間:2021年度~2025年度
参考:NEDOニュースリリース 2021年1月8日 サイト内リンク 「マテリアル分野に特化した新たな先導研究プログラムを創設」

5.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 材料・ナノテクノロジー部 担当:中村、矢野、板垣 TEL:044-520-5220­
E-mail:material_sendo_kenkyu@ml.nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:橋本、坂本 TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp