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将来像レポート「イノベーションの先に目指すべき『豊かな未来』」を公表
―大切にすべき6つの価値軸と、実現すべき12の社会像を提示―

2021年6月30日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは豊かな未来の実現に向けたイノベーション活動を後押しするため、さまざまな分野で発信されている客観的な情報を整理・分析した将来像レポート「イノベーションの先に目指すべき『豊かな未来』」を本日公表しました。

本レポートでは国内外の豊かさに関する報告書や各種政府白書、未来予測に関する報告書など計75編を俯瞰的に分析し、イノベーション活動を推進していく上で「大切にすべき6つの価値軸」と「実現すべき12の社会像」をまとめました。また、「現代社会が取り組むべきイノベーション事例」についても紹介しています。

NEDOは、本レポートがさまざまな企業・団体でイノベーション活動の検証や今後の展開のよりどころとして活用されることを期待しています。併せて、NEDOとしても豊かな未来の実現につながるイノベーション活動を展開していきます。

「大切にすべき6つの価値軸」(上)と「実現すべき12の社会像」(下)の図
図1 「大切にすべき6つの価値軸」(上)と「実現すべき12の社会像」(下)

1.概要

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は豊かな未来の実現に寄与するイノベーションの推進を目的に、将来像レポート「イノベーションの先に目指すべき『豊かな未来』」を本日公表しました。本レポートは取り組むべきイノベーションを検討するにあたり、実現したい価値や社会像と照らし合わせることが重要であるとの考えに立って作成しました。このため、持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる17の目標や第6期科学技術・イノベーション基本計画で示された「持続可能性の確保」「強靱性の確保」「一人ひとりの多様な幸せ」という方向性、さらに国内外で発信されている豊かさやウェルビーイングに関する合計29編の報告書などに対し、共起ネットワーク分析※1などの俯瞰的な解析を実施し、イノベーションを検討するよりどころとして「大切にすべき6つの価値」と「実現すべき12の社会像」を提示しました。

2.本レポートの内容

本レポートでは、豊かさやウェルビーイングに関する29編の報告書に対して共起ネットワーク分析およびデルファイ法※2を用いた分析を実施し、必要なイノベーションを推進していく上で「大切にすべき6つの価値軸」(図1上)と、イノベーションを通じて「実現すべき12の社会像」(図1下)を提示しました。12の社会像については、例えば図2に挙げた「物質循環による持続可能な社会」と「環境と調和した持続可能なエネルギー社会」のように、より具体的なイメージを提示しています。NEDOは豊かな未来の実現に向け、本レポートで示した「大切にすべき6つの価値軸」に沿ったイノベーションの展開、また「実現すべき12の社会像」につながるイノベーションの創出が重要であると捉えています。

  • 実現すべき社会像の例の図
    図2 実現すべき社会像の例

また、本レポートでは別冊として各省庁から発行されている各種白書や国内外の未来予測に関する報告書など計46編に加え、NEDO技術戦略研究センター(TSC)がこれまでに策定した技術戦略などを参考として、豊かな未来の実現に向けて現代社会が取り組むべき40のイノベーション事例(図3は一部)も取りまとめました。NEDOは、本レポートが今後、さまざまな企業・団体でイノベーション活動の目的の分析や今後の展開のよりどころとして活用されることを期待しています。併せて、NEDOとしても豊かな未来の実現につながるイノベーション活動を展開していきます。

なお、本レポートについては、9月にオンラインセミナーを開催する予定です。

  • 現代社会が取り組むべきイノベーション事例の図
    図3 現代社会が取り組むべきイノベーション事例

【注釈】

※1 共起ネットワーク分析
テキストマイニングによって、単語が出現する共通性やその関係を分析すること。
※2 デルファイ法
専門家の集団に対して、その都度結果をフィードバックしながら同一の問いかけを繰り返し行うことで意見の収れんを図る方法。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 技術戦略研究センター 担当:伊藤(智)、星 TEL:044-520-5150

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、橋本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp