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「経済安全保障重要技術育成プログラム」でヘリコプターなどへ搭載できる高性能なドップラー・ライダーの開発に着手
―ドローンや空飛ぶクルマが活躍するエアモビリティ社会の実現を目指す―

2023年6月29日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは経済安全保障を強化・推進する観点から支援対象とすべき先端的な重要技術の研究開発を進める「経済安全保障重要技術育成プログラム(通称“K Program”)」(以下、本プログラム)の一環で実施する研究開発として、「航空安全等に資する小型無人機の飛行経路の風況観測技術」(以下、本事業)に着手します。

本事業では風況観測や障害物検知の能力を向上・精密化させたドップラー・ライダーを開発することで、低高度の空域における安全な運航を確保するための風況観測技術を確立します。また、小型化によりドローンや空飛ぶクルマなどにも搭載可能とすることで、安全なエアモビリティ社会の実現を目指します。

1.経済安全保障重要技術育成プログラムについて

世界的に、科学技術・イノベーションが国家間の覇権争いの中核となっている中、日本が技術的優位性を高め、不可欠性の確保につなげていくためには、研究基盤を強化することはもちろんのこと、市場経済のメカニズムのみに委ねるのではなく、国が強力に重要技術の研究開発を進め、育成していく必要があります。

そこで、経済安全保障を強化・推進するため、内閣府や経済産業省、その他の関係府省が連携し、先端的な重要技術の研究開発から技術実証までを迅速かつ柔軟に推進するため、本プログラム※1が創設されました。

本プログラムでは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に造成された基金2により、国が定める研究開発ビジョンや研究開発構想3に基づき、科学技術の多義性を踏まえ、民生利用のみならず公的利用につながる研究開発とその成果の活用を推進します。

2.事業の概要

本プログラムの支援対象のうち、宇宙・航空領域の一つに「小型無人機の飛行経路の風況観測技術」が挙げられています。

ドローンなど小型の機体が低高度の空域で安全に飛行するためには細かな乱気流・突風を明確に検出・可視化し、鳥や建物、地形などの障害物も正確に捉えることができるドップラー・ライダー※4の開発が必要です。さらにドローンや空飛ぶクルマなどにも搭載できるように小型・軽量化することが求められています。

このような背景の下、NEDOは宇宙・航空領域の優位性につながり得る無人航空機技術の開拓として本事業の公募を行い、1テーマを採択しました。

本事業では風況観測や障害物検知の能力を向上・精密化させ、かつ小型化によりドローンや空飛ぶクルマなどにも搭載可能とするドップラー・ライダーを開発することで、低高度の空域における安全な運航を確保するための風況観測技術を確立します。また、この技術を社会実装することによって、都市の渋滞回避、離島や山間部での新しい移動手段の確保、災害時の救急搬送や迅速な物資の輸送などエアモビリティ5が安全に活躍する社会の実現を目指します。

3.実施内容・採択テーマ

【宇宙・航空領域】

  • 事業名:経済安全保障重要技術育成プログラム/航空安全等に資する小型無人機の飛行経路の風況観測技術
  • 算:11億円
  • 間:2023年度~2025年度(予定)

事業テーマの詳細と実施予定先は、以下の実施予定先一覧と事業概要資料をご覧ください。

【注釈】

※1 経済安全保障重要技術育成プログラム
※2 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に造成された基金
本基金は、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和4年法律第43号)第63条第1項における「特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用を目的とするもの」として指定基金として指定されています。
※3 国が定める研究開発ビジョンや研究開発構想
「研究開発ビジョン」とは、経済安全保障推進会議および統合イノベーション戦略推進会議で取りまとめられる、支援対象とする重要技術や重要技術となり得る要素技術などを示したものです。「研究開発構想」とは、研究開発ビジョンをもとに内閣府および経済産業省が具体的な研究開発の構想を示すために策定するものです。最新の資料は、内閣府ホームページ(別ウィンドウで開きます経済安全保障重要技術育成プログラム)を参照ください。
※4 ドップラー・ライダー
光のドップラー効果を利用して大気中のちりの動きを観測し、風向きや風速を測定する装置です。
※5 エアモビリティ
電動・垂直離着陸が可能な小型の飛行体(空飛ぶクルマ)などによる身近で手軽な空の移動手段のことです。
(NIKKEI COMPASSより)

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:関澤、小林、山崎、山名、吉田(雅)
E-mail:kprj_lidar[*]nedo.go.jp

(「経済安全保障重要技術育成プログラム」全体についての問い合わせ先)

NEDO 経済安全保障事業統括室 担当:関口、橋本、鈴木(敦)
E-mail:economic-security[*]ml.nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:瀧川、黒川、橋本、坂本(信)、根本
TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp

E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。

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