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大林組が世界初のTLP型ハイブリッド浮体式洋上風力発電施設の基本設計承認(AiP)を取得しました
―浮体建造費の低コスト化や量産化体制の容易な構築が可能に―

2026年5月25日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOの委託事業「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究(浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発)/TLP型ハイブリッド浮体式洋上風車支持構造物の開発」(以下、本事業)において、株式会社大林組は鋼・コンクリートのハイブリッド構造を採用したTLP(テンション・レグ・プラットフォーム)型浮体式洋上風車支持構造物を用いた浮体式洋上風力発電施設について、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)より基本設計承認(AiP:Approval in Principle)を取得しました。ClassNKがTLP型ハイブリッド浮体式洋上風力発電施設にAiPを発行するのは世界で初めての事例になります。

NEDOは、次世代浮体式洋上風力発電システムの開発を通じて、洋上風力発電のさらなる低コスト化、サプライチェーン強靱化(きょうじんか)に向けた取り組みを進めます。

授与式の様子
図1 基本設計承認(AiP)授与式の様子
(左から、ClassNK 山口常務理事、NEDO 松本理事、大林組 上月執行役員)

1.背景

浮体式洋上風力発電技術は、世界的にも発展途上の技術であり、信頼性向上や低コスト化などの多くの課題が残っています。日本が浮体式洋上風力発電で世界をリードしていくためには、グリーンイノベーション基金事業などを通じた早期商用化に加え、その先を見据えた技術を注視し、開発をしていく必要があります。

そのため、次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究プロジェクトでは2030年以降のさらなる低コスト化やサプライチェーンの強靭化に資する技術について、各種要素技術開発や実現可能性調査(FS:Feasibility Study)、それらを踏まえた設計、さらには実海域での実証に向けた計画検討などを実施しています。

2.今回の成果

大林組は2012年から独自にTLP型※1浮体式洋上風車浮体の研究開発に取り組み、水槽模型実験や数値解析、浮体のみの実海域実証試験を通じて、浮体構造の安全性および動揺特性について検証を重ねてきました。本事業※2ではこれを発展させ、鋼・コンクリート部材接合部の妥当性検証、プレキャスト工法の開発などを実施しました。これらの成果を活用し、鋼製部材とコンクリート部材を適材適所で組み合わせたTLP型浮体式洋上風車支持構造物を用いた浮体式洋上風力発電施設について、日本海事協会(ClassNK)の基本設計承認(AiP:Approval in Principle)を世界で初めて※3取得しました。本承認はTLP型浮体式洋上風力発電施設の支持構造物の安全および構造強度について、ClassNKガイドラインの要求事項に照らした評価が実施され、成立可能な設計であると評価されたものです。

本浮体式洋上風力発電施設の特長は次の通りです。

1)低コスト化が期待できる浮体式基礎

TLP型浮体のハイブリッド構造の採用により、鋼製部材とコンクリート部材とをそれぞれ別々に製作し、運搬後に現場の組立ヤードで接続することが可能となります。その結果、部材製作や施工方法の選択肢が広がり、他の浮体形式(鋼製セミサブ型)と比較して大林組試算で浮体建造費の25%削減が見込まれます。また、部材を同時並行で製作できることから、量産化を見据えた製造体制の構築が容易になります。

2)安定した発電性能

TLP型係留は係留索に常時張力を与えることで浮体の上下動揺を抑制できることから、大林組試算では、他の浮体形式(セミサブ型)と比較して風車の発電効率が約8%向上し、安定した発電性能の確保が期待できます。

3)漁業活動への影響の抑制

一般に水深の10倍程度の占用幅が必要とされるカテナリー型係留に比べ、TLP型係留は係留索の広がりが小さく占用海域を最小限に抑えられるため、漁業活動への影響を抑制しやすい方式として注目されています。

  • 風力発電施設イメージ
    図2 1MW風車を搭載したTLP型ハイブリッド浮体式洋上風力発電施設(イメージ)

3.今後の予定

本FS事業の成果を踏まえ、大林組は実用化に向けた研究開発をさらに進める予定です。

NEDOは、今後も次世代浮体式洋上風力発電システムの開発を通じて、洋上風力発電のさらなる低コスト化やサプライチェーン強靱化に向けた取り組みを進めます。

【注釈】

※1 TLP(テンション・レグ・プラットフォーム)型
強制的に半潜水させた浮力体と海底を緊張係留ラインで結び、強制浮力によって生じる緊張力を利用して係留する方式。浮体のヒーブ方向の動揺、ロール・ピッチ方向の動揺が抑制される仕組みです。
※2 本事業
名:風力発電等技術研究開発/洋上風力発電等技術研究開発/次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究(浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発)/TLP型ハイブリッド浮体式洋上風車支持構造物の開発
事業期間:2024年度~2025年度
事業概要:風力発電等技術研究開発
2025年7月NEDO成果報告会資料
※3 世界で初めて
日本海事協会調べ(2026年4月現在)。TLP型ハイブリッド浮体式基礎に対するClassNKのAiPとして世界初です。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 再生可能エネルギー部 風力・海洋ユニット E-mail:windgroup[*]ml.nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 経営企画部 広報企画・報道課 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp

E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。

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