国内外の市場・技術・政策動向を俯瞰した報告書「Innovation Outlook Ver. 1.0増補版」を発行しました
―日本が取り組むべき新たな12のフロンティア領域を提案―
2026年6月1日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
NEDOは、分野全体を俯瞰(ふかん)した国内外の市場・技術・政策動向の調査・分析に基づき、日本が新たに取り組むべき領域や取り組みを強化すべき12の領域(フロンティア領域等)を探索、特定し提案する、報告書「Innovation Outlook Ver. 1.0増補版」を本日6月1日に発行しました。
「Innovation Outlook」で提案するフロンティア領域等は、今後関係省庁や産業界、アカデミアに対して発信し、さらなるイノベーションの促進に貢献します。
1.概要
NEDOのイノベーション戦略センター(TSC※1)は、2024年度からの活動の柱として、所掌する分野全体を俯瞰した国内外の市場・技術・政策の動向を調査・分析に基づき、新たに取り組むべき領域や取り組みを強化すべき領域(フロンティア領域等※2)を提案する「Innovation Outlook」を策定することとし、昨年7月にはその初版として「Innovation Outlook Ver. 1.0」を発行しました。TSCはこの活動を2025年度以降も継続し、新たに見いだされたフロンティア領域等を取りまとめ、本日6月1日に「Innovation Outlook Ver. 1.0増補版」として発行しました。
TSCはイノベーション・アクセラレーターとして、「Innovation Outlook」を通して、革新技術の社会実装に向けた事業モデルの構築、ルール・標準の整備、社会受容性の醸成など新たな社会システムの変革を伴うトランスフォーマティブ・イノベーションへと結実させ、社会課題の解決や新産業の創出につなげることを目指し、今後も取り組んでいきます。
2.今回の成果
「Innovation Outlook」では、技術(T:Technology)起点のアプローチに加え、多様化・複雑化するニーズや社会課題に応えるにあたって、必要とされる新たな機能・提供価値(F:Function)を考え、既存・新規の機能や技術を組み合わせることで解決策を考えていくアプローチ(社会課題(M:Mission)起点でのアプローチ)も重視する、MFTロジックモデル※3を用いて、分析を行います。
社会像、およびその背景となる市場・技術・政策動向、社会課題(M)を踏まえ、分析を行った結果、その解決のために機能・提供価値を取り組むべき領域(F)として捉えて全体俯瞰を示します。また、取り組むべき領域の中から将来性、革新性、日本の強み、経済安全保障上の重要性、民間でのリスクを踏まえ、フロンティア領域等を提案します。
今回の「Innovation Outlook Ver. 1.0増補版」では、上記のInnovation Outlookの位置付け、および目指すべき将来像を前提として継続的に俯瞰調査を行い、図1のように、新たに12のフロンティア領域等(黄色のボックス 淡い黄色のボックスがVer. 1.0で特定した領域)を提案しました。
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図1 MFT全体俯瞰(社会課題M-取り組むべき領域F-技術T)
3.今後の予定
今後はフロンティア領域の推進にあたり、図2の通り、探索から育成、国家プロジェクトや民間事業としての実施、社会実装までの全体サイクルのマネジメントフローを検討します。
- 「Innovation Outlook」策定を通じて所掌分野の全体俯瞰を行うことで、社会課題の解決のために日本の産官学が一体となって取り組むべきフロンティア領域等を提案する。
- 提案されたフロンティア領域等について、解決策を産業界、アカデミア、スタートアップなどから広く募集し、各領域で取り組むべき研究課題とその社会実装までの道筋を仮説として示したイノベーション戦略の案を策定する。
- 国家プロジェクトとして重点的に推進すべきフロンティア領域等は、経済産業省に対して提案を行い、経済産業省は自らの評価・分析や他の機関からの情報も踏まえ、重点フロンティア領域を選定し、フィジビリティスタディを実施する。
- フィジビリティスタディの結果を踏まえ、仮説を検証した上で、必要に応じてピボットを行った上で、国家プロジェクトや民間事業としての実施を検討し、その結果をイノベーション戦略として取りまとめる。
- イノベーション戦略に基づいて国家プロジェクトや民間事業を組成して、社会実装に向けた取り組みを推進する。
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図2 NEDOのフロンティア領域マネジメントフロー
また、「Innovation Outlook」を継続的に更新し、充実させることで、イノベーション推進に貢献します。そして次世代の希望につなげられる情報源として発信します。
今回発行した「Innovation Outlook」に基づき設定したフロンティア領域等における、優れた技術の発掘・育成を目的として、7月1日より有望な研究開発テーマを募集するRFI(Request For Information)を開始します。積極的な提案を募集します。
これに先立って、RFIを通じた、有望な研究開発テーマの組成につなげるべく、6月15日に「NEDOサミット」を開催し、「Innovation Outlook」で提案するフロンティア領域について領域のPD※4(候補者含む)によるピッチと個別面談を実施します。ぜひ産学官のさまざまな立場から、多くの皆さまの参加を期待しています。
【注釈】
- ※1 TSC
- 設立から10年を迎えた2024年7月の組織再編に伴い、「技術戦略研究センター」としていた名称を、新たに「イノベーション戦略センター」(Technology and Innovation Strategy Center, TSC)に変更し、新たに発足しました。
- ※2 フロンティア領域等
- Innovation Outlookでは、フロンティア領域は将来的なポテンシャルが大きい一方で、技術開発や市場の不確実性といったリスクの高さ、巨額な研究開発設備投資の必要性などの理由で、国としては重点投資していきたいにも関わらず、個社だけでは投資が進みにくい領域とし、フロンティア領域、融合領域、新たな取り組みをすべき既存領域、取り組みを強化すべき既存領域の4領域全てを合わせたものをフロンティア領域等と定義しています。
- ※3 MFTロジックモデル
- MFT®(Mission/Market、Function、Technology)はArthur D. Littleにより開発された技術経営のフレームワークの一つです。本フレームワークを参考として、ロジックモデルを構築し、フロンティア領域等の探索を行うこととしています。
- ※4 PD
- Program Directorの略です。PDは、各フロンティア領域における研究開発課題の探索・選定を行い、技術開発から社会実装に至るまでの戦略を策定します。さらに、経済産業省関係部局、NEDO関係部などの関係機関や各フロンティア領域の研究開発や社会実装に係る有識者と連携しながら、その実行から評価および見直し、国家プロジェクトの企画立案、民間投資の促進に至るまで、一貫して推進するための業務を担います。
4.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO イノベーション戦略センター マクロ分析ユニット E-mail:tsc-macro[*]ml.nedo.go.jp
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 経営企画部 広報企画・報道課 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp
E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。
- 新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。
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