バイオジェット燃料生産技術開発事業
事業・プロジェクト概要
長期的には拡大が見込まれる航空需要予測を踏まえ、二酸化炭素排出量削減による地球温暖化抑止対策が航空業界における喫緊の課題となっている中、国際民間航空機関(ICAO)は、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の導入を必要不可欠な解決手段の一つとして位置づけている。
本事業では、航空分野における二酸化炭素等の温室効果ガス排出量の更なる削減に向けて、2030年頃までに実用化が見込まれるSAF製造技術の確立、利用促進・普及を行う。
具体的には、HEFA技術やガス化・FT合成技術、ATJ技術、微細藻類培養技術や社会実装の観点から重要と判断されるその他技術等のSAF製造技術の開発、原料調達からSAFの供給に至るまでのサプライチェーンモデルの構築に取り組む。
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SAFのサプライチェーンを表したイメージ図
研究開発内容
(1)一貫製造プロセスに関するパイロットスケール試験(FY2017-FY2021)
本事業では、これまで培われた要素技術を組み合わせつつ、化石エネルギー収支や温室効果ガス排出量削減にかかる環境性の確保に加え、経済性を具備した一貫製造プロセスの工業化システムの実現が必須となる。この基本技術を確立させるべく、パイロットフェーズでの検証試験を行う。
(2)実証を通じたサプライチェーンモデルの構築(FY2020-FY2024)
将来の事業化を見据えた規模でのSAF製造、空港納入までの供給に至るサプライチェーン構築に向け、各製造プロセスにおける実証事業(部分実証を含む)を行い、SAF製造に伴い併産されるバイオ燃料などの副生物の利活用も含めたサプライチェーンの確立を加速する。
(3)微細藻類基盤技術開発(FY2020-FY2024)
ニートSAF(ASTM D7566 規格準拠)の製造および二酸化炭素吸収を主目的とし、微細藻種の選定、育種や多様な培養方法について大量培養技術を実証し、事業化における必要性に応じ副生品製造も組み合わせたカーボンリサイクル技術を確立する。
(4)技術動向調査(FY2017-FY2024)
今後のSAF技術の早期確立、サプライチェーン構築に資するため、国内外の最新技術開発動向や個別技術プロセスに係る詳細調査を行う。
プロジェクトマネージャー
矢野 貴久 バイオマスユニット長
アウトカム目標
本事業によりバイオジェット燃料の市場形成を支援、促進することにより、2030年頃に、バイオジェット燃料製造技術の実用化を実現することで、ジェット燃料の使用に起因する温室効果ガス排出量の削減に貢献する。
アウトプット目標
ガス化・FT合成技術や微細藻類培養技術、ATJ技術等のバイオジェット燃料製造技術開発を行い、2030年頃までに商用化が見込まれる製造プロセスを確立する。
プロジェクト線表
基本情報
事業期間・予算額 | 事業期間:2017年度~2024年度、予算額:44.0億円(2024年度) |
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技術・事業分野 | バイオマス燃料開発 |
プロジェクトコード | P17005 |
担当部署 | 再生可能エネルギー部 (TEL:044-520-5270) |
詳細資料
- 基本計画(380KB)
- 実施方針:2024年度版(386KB)
- 実施方針:2023年度版(379KB)
- 実施方針:2022年度版(300KB)
- 実施方針:2021年度版(315KB)
- 実施方針:2020年度版(368KB)
- 実施方針:2019年度版(313KB)
- 実施方針:2018年度版(123KB)
- 実施方針:2017年度版(248KB)
成果報告
2024年度成果報告会発表者
テーマ名 | 発表事業者 |
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SAF(持続可能な航空燃料)実用化に向けたNEDOの取組み | NEDO 再生可能エネルギー部 |
微細藻類由来バイオジェット燃料生産の産業化とCO2利用効率の向上に資する研究拠点及び基盤技術の整備・開発 | 日本微細藻類技術協会 |
海洋ケイ藻のオープン・クローズ型ハイブリッド培養技術の開発 | 電源開発 |
熱帯気候の屋外環境下における、発電所排気ガスおよびフレキシブルプラスティックフィルム型フォトバイオリアクター技術を応用した 大規模微細藻類培養システムの構築および長期大規模実証に関わる研究開発 |
ちとせ研究所 |
最先端のATJ(Alcohol to Jet)プロセス技術を用いたATJ実証設備の開発と展開 | 出光興産 |
国産廃食用油を原料とするバイオジェット燃料製造サプライチェーンモデルの構築 | 日揮ホールディングス、コスモ石油、日揮、レボインターナショナル |
低圧・低水素消費型多機能触媒利用の植物由来SAF実証サプライチェーンモデルの構築 | 日本グリーン電力開発 |
パルプからの国産SAFの一貫生産およびサプライチェーン構築実証事業 | Biomaterial in Tokyo、三友プラントサービス |
食料と競合しない植物油脂利用によるSAFサプライチェーンモデル構築および拡大に向けた実証研究 | Jーオイルミルズ |
BECCSを活用したガス化FT合成プロセスによるSAF製造技術のビジネスモデル検証 | 三菱重工業、東洋エンジニアリング |
最終更新日:2025年1月9日
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