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「太陽光発電システム搭載自動車検討委員会」中間報告書第2報を公表

―太陽光発電システム搭載自動車が走行時に取得可能な日射量を計測―
2019年5月13日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 石塚博昭

NEDOは、太陽光発電システム搭載自動車検討委員会の中間報告書第2報を本日公表しました。この中間報告書は、自動車に日射計を搭載して走行時に取得する日射量を計測した実験結果をまとめたもので、「太陽光発電システム搭載自動車の取得日射量は、道路沿いの建物や樹木、電柱などの影により低下することがあるが、建物などからの反射により、自動車が取得する日射量が建物の屋根・屋上などよりも大きくなる可能性もある」ことを確認しました。

なお、今回の中間報告書は、太陽光発電システム搭載自動車の実現による効果の試算結果を2018年1月に公開したものに続く第2報です。

  • 太陽光発電システム搭載車イメージを表した図1
    図1 太陽光発電システム搭載車イメージ

1.概要

地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」における「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5ºCに抑える努力を追求する」という目標達成に向け、大気汚染防止のため、エネルギー需要の大部分を化石燃料に頼っている運輸部門では電動化の動きが加速しています。電動自動車においてCO2削減効果を最大限に引き出すためには、動力に対し再生可能エネルギーから電力供給を行うことが有効な手段となります。太陽光発電システム搭載自動車は充電の負荷を低減できるとともに、短距離であれば充電ステーションなどのインフラの制約を受けずに走行することができるため、電動自動車の普及拡大と、より大きなCO2削減効果を見込むことができます。

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2016年4月に「太陽光発電システム搭載自動車検討委員会※1(以下、検討委員会)」を設置し、太陽光発電システム搭載自動車の実現による効果の検討を開始しました。2018年1月には中間報告書※2として、「太陽光発電システム搭載自動車は、運輸部門のCO2排出量削減に貢献することができ、利用パターンによっては、年間の充電作業回数をゼロとすることも可能である」との試算結果を公表しました。また、検討委員会では、自動車に搭載した太陽電池が受光・取得可能な日射量(以下、取得日射量)や発電電力量は建物の屋根・屋上などとは異なり、走行により瞬時に影となる部分が動いたり、入射方向が変わったりするため、その定量的な評価が必要であることを課題の一つとして示しました。

この結果を受けて、NEDOは、一般財団法人日本気象協会、国立大学法人宮崎大学と協力して、自動車に日射計を搭載して走行時に取得する日射量を計測し、その結果を中間報告書第2報として本日公表しました。本中間報告書では、「太陽光発電システム搭載自動車の取得日射量は、道路沿いの建物や樹木、電柱などの影により低下することがあるが、建物などからの反射により、自動車が取得する日射量が建物の屋根・屋上などよりも大きくなる可能性もある」ことを確認しました。さらに、太陽光発電システム搭載自動車の本格的な開発普及に向けて、取得日射量のデータの拡充や、データの活用方法の検討が必要であることも記載しました。

なお、太陽光発電システム搭載車についてはYouTubeのNEDOチャンネルでも動画で紹介しています。

2.太陽光発電システム搭載自動車検討委員会中間報告書第2報のポイント

本中間報告書は、NEDOのWEBページからダウンロードできます。

  • (1)自動車への太陽光発電システム搭載時において太陽電池が受光・取得することが可能な日射量
    札幌と宮崎で取得日射量を計測し、その特徴や傾向、今後の課題について予備的な検討を行いました。
  • (2)予備検討結果
    • 〔1〕 建物や樹木、電柱などの影が発生し、当該箇所・区間では取得日射量が低下する。
    • 〔2〕 建物などによる影は、屋根など全面を覆う場合もあるが、部分影に相当する場合もある。
    • 〔3〕 建物などからの反射により、当該箇所・区間において自動車が取得する日射量が建物の屋根・屋上などよりも大きくなる可能性もある。
    • 〔4〕 影や反射による取得日射量の変動は、非常に短い周期(0.1秒未満)で生じることが多い。
  • (3)考察
    太陽光発電システム搭載自動車の本格的な開発、および普及に向けて、「取得日射量として把握・計測するデータを拡充していくとともに、開発を効率的に実施していくためには、それらのデータを発電量予測に用いるための手法などもあらかじめ想定しておく必要がある」という示唆が得られました。
  • 宮崎における車両取得日射量(走行時)の計測結果を表した図2
    図2 宮崎における車両取得日射量(走行時)の計測結果

3.今後の予定

NEDOは、今後も検討委員会における検討の継続により、太陽光発電システムの新たな市場創出、エネルギー・環境問題解決へのさらなる貢献を目指します。

【注釈】

※1 太陽光発電システム搭載自動車検討委員会
太陽光発電システムの「新たな市場創出」と「エネルギー・環境問題解決へのさらなる貢献」に向け、自動車搭載太陽光発電システムの意義・効果について調査・検討するため、2016年4月にNEDOに設置しました。
※2 中間報告書
自動車1台への太陽光発電システム搭載時における〔1〕CO2排出削減効果など、〔2〕ユーザーの利便性(充電回数)、〔3〕太陽光発電システム搭載自動車が普及した場合の社会全体のCO2排出削減効果について検討し、その結果を太陽光発電システム搭載自動車検討委員会中間報告書として2018年1月に公表しました。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:山田、佐藤 TEL:044-520-5277

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、藤本、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp