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「経済安全保障重要技術育成プログラム」でハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発に着手
―利便性とセキュリティ面を両立したハイブリッドクラウド環境の構築を目指す―

2023年6月29日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは経済安全保障を強化・推進する観点から支援対象とすべき先端的な重要技術の研究開発を進める「経済安全保障重要技術育成プログラム(通称“K Program”)」(以下、本プログラム)」の一環で実施する研究開発として、「ハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発」(以下、本事業)に着手します。

本事業では、利用者自身がクラウド環境のデータの暗号化に用いる暗号鍵の管理を行える鍵管理システムや半導体・電子機器の信頼性を向上する検証基盤を確立し、利便性とセキュリティ面を両立したハイブリッドクラウド環境の構築を図ります。また事業の成果は、民生利用のみならず公的利用につなげていくことを目指します。

1.経済安全保障重要技術育成プログラムについて

世界的に、科学技術・イノベーションが国家間の覇権争いの中核となっている中、日本が技術的優位性を高め、不可欠性の確保につなげていくためには、研究基盤を強化することはもちろんのこと、市場経済のメカニズムのみに委ねるのではなく、国が強力に重要技術の研究開発を進め、育成していく必要があります。

そこで、経済安全保障を強化・推進するため、内閣府や経済産業省、その他の関係府省が連携し、先端的な重要技術の研究開発から技術実証までを迅速かつ柔軟に推進するため、本プログラム※1が創設されました。

本プログラムでは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に造成された基金※2により、国が定める研究開発ビジョンや研究開発構想※3に基づき、科学技術の多義性を踏まえ、民生利用のみならず公的利用につながる研究開発とその成果の活用を推進します。

2.事業の概要

本プログラムの支援対象のうち、「領域横断・サイバー空間、バイオ」領域の要素技術の一つに「ハイブリッドクラウド利用基盤技術」と「不正機能検証技術」が挙げられています。

コストや利便性に優れ幅広く利用されているクラウドサービスの多くは、利用者にとってセキュリティ面がブラックボックスになっており、十分に信頼性が確保されているとは言い難い状況です。一方、機密性の高いデータを安全に取り扱う場合は、内部構造や動作原理などが明らかでセキュリティ面がホワイトボックスなクラウドサービスが活用されています。このような中、異なるセキュリティレベルのクラウドサービス間で安全・安心かつ円滑にデータのやり取りを行うニーズがあり、それを実現するにはそれぞれのクラウドの長所を生かせる「ハイブリッドクラウド」を構築することが必要です。また、世界的に偽造半導体が流通するなど、製造・流通する半導体・電子機器の信頼性の確保が課題となる中、クラウドシステムを支えるハードウェア(半導体・電子機器など)の不正機能の混入有無を特定・排除する検証基盤を確立し、ハードウェアを含めて安全・安心なクラウド環境を構築することが重要です。

このような背景の下、NEDOは「強固な鍵管理によるデータセキュリティ技術(鍵管理ソフトウェア技術)」、「半導体・電子機器等のハードウェアにおける不正機能排除のための検証基盤の確立」の公募を行い、合計2テーマを採択しました。

本事業により、利用者自身がクラウド環境の暗号鍵※4の管理を行うことができる鍵管理システムや、半導体・電子機器の信頼性を向上する検証基盤を確立し、利便性とセキュリティ面を両立したハイブリッドクラウド環境の構築を図ります。事業の成果は、民生利用のみならず公的利用につなげていくことを目指します。

3.実施内容・採択テーマ

【領域横断・サイバー空間、バイオ領域(1)】

  • 事業名:経済安全保障重要技術育成プログラム/ハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発
    /強固な鍵管理によるデータセキュリティ技術(鍵管理ソフトウェア技術)
  • 算:13億円
  • 間:2023年6月~2026年3月(予定)

事業テーマの詳細と実施予定先は、以下の実施予定先一覧と事業概要資料をご覧ください。

【領域横断・サイバー空間、バイオ領域(2)】

  • 事業名:経済安全保障重要技術育成プログラム/ハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発
    /半導体・電子機器等のハードウェアにおける不正機能排除のための検証基盤の確立
  • 算:34億円
  • 間:2023年6月~2028年6月(予定)

事業テーマの詳細と実施予定先は、以下の実施予定先一覧と事業概要資料をご覧ください。

【注釈】

※1 経済安全保障重要技術育成プログラム
※2 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に造成された基金
本基金は、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和4年法律第43号)第63条第1項における「特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用を目的とするもの」として指定基金として指定されています。
※3 国が定める研究開発ビジョンや研究開発構想
「研究開発ビジョン」とは、経済安全保障推進会議および統合イノベーション戦略推進会議で取りまとめられる、支援対象とする重要技術や重要技術となり得る要素技術などを示したものです。「研究開発構想」とは、研究開発ビジョンをもとに内閣府および経済産業省が具体的な研究開発の構想を示すために策定するものです。最新の資料は、内閣府ホームページ(別ウィンドウで開きます経済安全保障重要技術育成プログラム)を参照ください。
※4 暗号鍵
データを解読できないようにしたり(暗号化)、暗号化されたデータを元に戻したり(復号化)するときに用いるデータのことです。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部 担当:間瀬、高田、栗原、中野
E-mail:hybridcloud[*]nedo.go.jp

(「経済安全保障重要技術育成プログラム」全体についての問い合わせ先)

NEDO 経済安全保障事業統括室 担当:関口、橋本、鈴木(敦)
E-mail:economic-security[*]ml.nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本(信)、瀧川、黒川、橋本、根本
TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp

E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。

  • 新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。

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