国内公的機関として初めて、量子コンピューターの利活用事例集を公開しました
―国内企業を中心とした56事例を掲載、独自の分析結果提供―
2025年2月17日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
NEDOは、「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」(以下、本事業)の一環で、量子コンピューターのビジネスでの利活用推進を目的とした「量子コンピューター ユースケース事例集」(以下、本事例集)を新たに作成し、本日公開しました。これは国内公的機関として初めての取り組みになります(NEDO調べ)。
本事例集では、国内企業を中心とした量子コンピューターのビジネスでの利活用事例56事例を掲載しています。また、収集した事例について、サプライチェーンとの対応関係やビジネス効果などを整理・分析することで、量子コンピューター活用の糸口となる情報を提供しています。
NEDOは3月6日に、本事例集の情報を共有するためのイベントとして、「NEDO 量子コンピューティングシンポジウム ~最先端のユースケースで知る、量子ビジネスの未来~」を開催します。今後もNEDOは本事業を通じて、量子コンピューターのユーザー数を増加し、新たなビジネスチャンスを創出することで、日本の量子コンピューター産業の発展に貢献します。

1.背景
国連総会は、量子物理学誕生100周年を記念して、2025年を「国際量子科学技術年」と定めました。量子力学の特性を生かした技術として、非常に期待され、技術進化が続いているのが量子コンピューターです。日本政府も2022年4月に「量子未来社会ビジョン」を策定するなど、量子産業の創出・発展に向けて取り組んでいます。こうした背景のもとNEDOは、2023年度から本事業※1において、量子コンピューターの利活用に関する研究開発(ユースケース開発)を推進しています。
国内でユースケース開発のノウハウをより一層蓄積していくためには、量子コンピューターのユーザー企業をさらに増やしていく必要があります。しかし、国内で量子コンピューターを利活用している先進ユーザー企業の取り組み事例は、まだ十分に知られていません。
そこでNEDOは今般、国内における量子コンピューターの利活用研究開発の活性化を図り、ビジネスでの利活用を加速させるため、国内企業を中心とした量子コンピューターの活用事例を収集・分析※2し、事例集として本日公開しました。これは国内公的機関としては、初めての取り組みになります(NEDO調べ)。
本事例集は以下よりダウンロードできます。
2.本事例集の内容
- (1)多様な分野での活用事例56事例を掲載
- 本事例集では、国内企業が量子コンピューターをビジネスで活用する取り組みを中心に、56事例を掲載しています。事例は、産業分野として「製造分野」「交通分野」「エネルギー分野」「創薬・医療分野」「金融分野」、技術分野として「CAE分野」「AI分野」「セキュリティ分野」に分類し、掲載しました。
- (2)収集した事例を整理・分析
- 収集した事例は、それぞれのユースケースの傾向を俯瞰(ふかん)し、分析した結果を記載しています。具体的には、サプライチェーンとの対応関係やビジネス効果、共通する課題感、今後のビジネス展望などを整理・分析しており、量子コンピューター活用の糸口となる情報を提供しています。
図2掲載したユースケースの一例
図3分析結果の例(サプライチェーンとの対応関係を分析した図)
3.今後の予定
NEDOは3月6日に、本事例集の情報を共有するためのイベントとして、「NEDO 量子コンピューティングシンポジウム ~最先端のユースケースで知る、量子ビジネスの未来~」を開催します。
今後もNEDOは本事業を通じて、量子コンピューターのユーザー数の増加、新たなビジネスチャンスの創出などにより、日本の量子コンピューター産業の発展に貢献します。
- 「NEDO 量子コンピューティングシンポジウム ~最先端のユースケースで知る、量子ビジネスの未来~」
- 日時:3月6日木曜日 14時00分から17時30分
- 場所:Deloitte Tohmatsu Innovation Park(東京都千代田区丸の内)
- イベント概要ページ:NEDO量子コンピューティングシンポジウムの開催
- (本イベント参加には、報道関係者の方を含め、事前の申し込みが必要となります。)
【注釈】
- ※1 本事業
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- 事業名:量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業
- 事業期間:2023年度~2027年度
- 事業概要:量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業
- ※2 日本発の量子コンピューターの活用事例を収集・分析
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- 調査事業名:量子技術に関するユースケース事例調査
- 実施先:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
- 参考ページ:「量子技術に関するユースケース事例調査」に係る実施体制の決定について
4.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO AI・ロボット部 量子ユニット 担当:橋本、加藤、大城 E-mail:quantum_ai[*]ml.nedo.go.jp
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 経営企画部 広報企画・報道課 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp
E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。
- ※新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。