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地熱発電導入事業者向け環境・景観配慮マニュアル

2018年7月2日

再生可能エネルギーの導入拡大が望まれる中、世界第3位の地熱資源ポテンシャルを有する日本では、地熱発電に大きな期待が掛かっています。しかし、その資源の約8割が国立・国定公園内※1に存在することで、これまで地熱開発が進展してきませんでした。このような中、2012年3月に出された環境省の「国立・国定公園内における地熱開発の取扱いについて(2012年3月27日環境省自然環境局長通知)」※2により、これまで開発が制限されていた国立・国定公園第2種・第3種特別地域内でも、真に優良事例としてふさわしいものであると判断される場合は、掘削や工作物の設置の可能性についても個別に検討した上で、その実施について認められるようになりました。この通知では、その取り組みの1つとして、「自然環境、風致景観及び公園利用への影響を最小限にとどめるための技術や手法の投入」があげられており、その技術や手法についてどのような対策をとればよいかが課題となっていました。

そこでNEDO事業※3では、地熱発電開発で実施可能な自然環境や景観への配慮手法の具体化を目指し、「エコロジカル・ランドスケープデザイン手法※4を活用した設計支援ツールの開発」を実施してきました。

今般、本事業で、国内外の地熱発電所の現地調査や開発事業者へのヒアリングなどを「エコロジカル・ランドスケープデザイン手法」という設計手法の観点から実施・検討し、整理した結果を「自然環境・風致景観配慮マニュアル」と「配慮手法パタン参考集」にとりまとめ7月2日に公表しました。

NEDOは今後、地熱発電の導入を検討している事業者にこれらのマニュアルや参考集が広く普及することで、地熱発電の導入が円滑化かつ加速化されることを期待しています。

※1 国立・国定公園
国立・国定公園の風致景観の維持のため、自然公園法に基づき、土地の形状変更、工作物の設置、木竹の伐採など自然環境を改変する各種行為が制限されています。公園内の自然の特性により地種区分を決めて、その地域における規制の基準を定めています。大きく特別地域と普通地域に分けられ、規制の程度により特別地域はさらに特別保護地区と第1種、第2種、第3種特別地域と4段階に分けられています。
※2 国立・国定公園内における地熱開発の取扱いについて(2012年3月27日環境省自然環境局長通知)
「再生可能エネルギーの導入促進に向けた規制の見直しを含めた規制・制度改革に係る対処方針(2010年6月18日閣議決定)」などを受けて、環境省が定めた国立・国定公園内における地熱開発の取扱いに関する通知です。当該通知において、従来地熱開発が制限されていた国立・国定公園第2種・第3種特別地域内については、「真に優良事例としてふさわしいものであると判断される場合は、掘削や工作物の設置の可能性についても個別に検討した上で、その実施について認めることができるものとする」とされました。
※3 NEDO事業
事業名:
地熱発電技術研究開発/発電所の環境保全対策技術開発/エコロジカル・ランドスケープデザイン手法を活用した設計支援ツールの開発
事業期間:
2014年度~2017年度
委託先:
清水建設株式会社、株式会社風景デザイン研究所、学校法人法政大学

 

※4 エコロジカル・ランドスケープデザイン手法
エコロジカル・ランドスケープデザイン手法は、地域の潜在能力を活用してその地域であるべき環境を保全・創出し、健全な生態系を維持する設計手法。

「自然環境・風致景観配慮マニュアル」及び「配慮手法パタン参考集」

バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針

自然環境や景観への配慮が重要となる発電所の立地と施設配置に着目し、建設候補地の選定や土地利用計画における配慮に重点を置いたプロセスについて説明しています。

バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針

地域環境や景観に配慮した設計(デザイン)を開発事業者が発電所を計画する際に活用できるよう、地熱発電所建設の際に実施された配慮事例を「パタン化」し、まとめました。

地熱発電は、その事業特性や地域特性、事業の進め方や地域コミュニケーションのあり方などが事業ごと・地域ごとに異なるため、実際の開発案件や地域の特性に合わせて適用プロセスを変更することや配慮パタンを選定することが大切です。また、本マニュアルや参考集は、今後、他の異なる配慮手法や設計手法を参考に拡充・改善され、より使いやすく、わかりやすいツールに改訂されることが期待されています。

問い合わせ先

新エネルギー部 熱利用グループ

TEL: 044-520-5183­ FAX: 044-520-5276­