Interview

仲間に誇れる
プロジェクトの成功へ。
個々の力を引き出し、
最高のチームと共に導く。

仕事を通じて、機構内外の多くの関係者と関わってきた安生哲也。
人と人とを結びつけ、「出会い」を力に、困難な課題の解決に挑んでいる。

安生 哲也

ANJO Tetsuya

新エネルギー部
2008年入構
新領域創成科学研究科 自然環境学専攻

学生時代は大気中のメタンの挙動をシミュレートする研究に取り組んだ。人と人、技術と技術、技術と人をつなぐという仕事に魅力を感じ、NEDOに入構。

NEDO野球部では攻守の要を務める。

地熱発電の普及に向け、チームワークを発揮する

地熱発電は二酸化炭素をほとんど排出せず、天候等に左右されない安定した発電です。私が所属する新エネルギー部では、ベースロード電源(※)として期待される地熱発電の普及を図ることを目的にプロジェクトを推進しています。火山国である日本は世界第3位という豊富な地熱資源を持ちながら、設備の導入容量は世界第9位にとどまり、開発が進んでいません。背景には、事業に着手してから発電開始できるまでに長い時間がかかるということや、地熱の資源の多くが国立公園内に存在しているために様々な配慮が必要なことなどがあげられます。そこで私たちは、自然環境や風致景観へ配慮した発電所設計を支援するツールの開発や地熱開発における環境影響評価の期間短縮のための技術開発などを手掛けて、この課題解決にあたっています。また、近年では、温泉の熱を利用した発電も活発です。将来的には、豊富な地熱資源を生かして、これまで以上に地域と共生した発電事業が進むことを願っています。
私は地熱発電に関する数あるプロジェクトの全体進捗管理などのマネジメントを担当しながらプロジェクトの個別のテーマについても一部を担当しています。技術開発には問題がつきものですが、何か問題が生じた時には、チーム内で意見交換や議論を重ねて問題解決を図ることを大切にしています。NEDOは私のようにNEDOの職員として採用された職員だけでなく、企業から出向されている方も多くいらっしゃり、お互いに付き合いが短い者同士で仕事をすることも多々あります。そのような中で、皆さんの業務がうまく回るよう、職場の潤滑油的な役割も担っていきたいと思っています。もちろん飲み会の企画もして業務外の側面からも親睦を深めています!
※ベースロード電源…発電コストが、低廉で、安定的に発電することができ、昼夜を問わず継続的に稼働できる電源

プロジェクトを成功に
導くかじ取り役として

小学生の頃から続けている野球を通じて、体力は身に着けてきたと思っています。日々の業務では粘り強く続けなければならない場面もあり、どんなに業務が立て込んでいても質の高い仕事をするためには体力も重要な要素なので、自分の強みの一つだと思っています。また、野球ではチームプレイが重要というのも、プロジェクトマネジメントの仕事に通じていると思います。NEDO野球部での私のポジションはキャッチャーですが、全体を見ながらその場面に応じた指示を仲間に出していくという点は同じです。共通の目標に向かって多くの人を結び付けるかじ取り役となり、プロジェクト成果が社会のためになることを常に考えて行動できるのは、この仕事の大きな魅力です。

内外の人々との交流は大きな財産

入構1年目から、内閣府が主催する産学官連携推進会議の運営という大きなイベントの仕事に携わり、様々な立場・役割の人たちとの調整のやり方など、多くのことを勉強しました。2年目には自分がメインの担当になり、NEDOの内部はもちろん政府関係機関との折衝などに奔走しました。NEDOの看板を背負ってるという意識で、必死だったのを覚えています。この会議では、産学官の連携により目覚ましい成果を上げた方を表彰する制度がありますが、3年目には所属部の担当した次世代型の手術室の開発事業が大臣表彰を受けました。脳腫瘍の術後の生存率が劇的に向上したという成果に、NEDOの技術が人の生命を助けることに役立っていると感動しました。
私が仕事を通じて得た最も大きなものは、ひとえに人とのつながりです。先輩や同僚、外部の方々にも恵まれ、指導していただきました。出向元に戻られた方々や仕事を通じて知り合った方々とは、今でもプライベートで交流があります。若い頃の私の強気な発言は今でも印象にも残っているようで、会った時にはネタにされています。そんな方々との関わりは私の財産であり、様々な方々との出会いを力にして、ゼロから新しくプロジェクトを立ち上げることに挑戦していきたいです。

ミライのトビラ

硫化水素拡散予測数値モデルの開発

地熱発電所建設時における環境影響評価では、発電所より排出される硫化水素の拡散予測を、大規模な実験設備を扱う風洞実験にて行っていますが、この実験を代替する拡散予測数値モデルを開発し、予測に要する期間や費用の短縮を図ること目指しています。