スタートアップ支援

20年後に世界を
席巻する企業を
日本から

  • 小林 直樹KOBAYASHI Naoki

    スタートアップ支援部
    連携・対外発信チーム 主任
    2021年度入構
    商学部

    2021年 総務部(現在の経営企画部)に配属
    2024年 イノベーション推進部(現在のスタートアップ支援部)に異動

    学生時代に訪れた中国で技術開発のスピード感に圧倒され、日本の国際競争力低下を痛感。それをなんとかしたいという思いを胸にNEDOに入構。旅行や映画鑑賞が趣味で、しまなみ海道をサイクリングし、景色に感動したことも。

日本のスタートアップの転換期に立ち会う

現在の情報化社会を支える世界的大企業も、設立当時は小さなスタートアップでした。スタートアップは、経済成長のドライバーとなり、社会課題解決の主体となる存在です。そこで、日本政府は2022年に「スタートアップ育成5か年計画」を決定し、「スタートアップ投資額を5年後に10倍以上の10兆円規模へ拡大」「時価総額1000億円超の未上場企業『ユニコーン』の100社創出」などの目標を掲げています。

この計画の下、NEDOはスタートアップの支援に取り組んでいます。NEDOは、最先端技術をもとに起業したスタートアップ、いわゆる、ディープテック・スタートアップを対象に支援を行っています。

「政策の追い風を受けて、今、日本のスタートアップ界隈は歴史的な転換期にあります。現在、世界中にサービスを提供しているアメリカの巨大IT企業の中には、実は、私が生まれた二十数年前に創業された企業が多くあります。支援しているスタートアップが、自分が40代になる頃に世界をリードしているかもしれないと思うと、その成長のために力を尽くせていることが幸せです」と、小林は目を輝かせます。

若手でも活躍できる環境がNEDOにはある

NEDOの支援の中心は、資金面を中心とした研究開発の支援です。ディープテック・スタートアップは、事業化して利益をあげ始めるまでに多くの時間と資金を必要とします。その支援は民間のベンチャーキャピタルのみでは難しいため、政府系機関であるNEDOの貢献が期待されているのです。起業前の個人から、起業後の法人に対する量産化支援まで、それぞれのスタートアップの状況に応じてシームレスに支援が可能です。小林は、担当する2社と密接に連絡を取り、支援した資金で研究開発が円滑に進むように関係者間の調整などを行っています。

NEDOでは、こうした資金面による研究開発支援だけでなく、スタートアップの成長を促す様々な支援策を用意しています。具体的には、海外展開支援、大企業とのマッチング、広報活動支援などを行っています。

海外展開支援の一例としては、昨年、6社の支援先スタートアップをインドに連れていき、現地の大学で学生に自社の技術をプレゼンするイベントを、NEDOの現地事務所とともに開催しました。ITに強いインドの人材の採用を目指すとともに、現地インド市場の実態を知ることが目的でした。「イベントの計画や事前の連絡・調整は大変でしたが、参加した中には、これをきっかけに、実際にインドでの事業展開を行おうとするスタートアップもおり、イベントが企業の成長に役立っていることにやりがいを感じました」と振り返ります。このイベントは当時テレビニュースでも紹介されました。

また、海外進出に向けた基礎知識の習得、事業のブラッシュアップなどを行う研修会の運営も小林の業務です。スタートアップ同士の交流の場ともなる研修会が実り多きものとなるよう、裏方として気を配ります。

さらに、広報も担当しており、NEDOが進めている様々なスタートアップ支援策の紹介を行っています。Facebookでのイベント告知のほか、若手ながら、展示会のセミナーに登壇し、NEDOの紹介などを行うこともあります。

「私の業務は多岐にわたっていますが、NEDOにはそれだけ様々なことに挑戦し、活躍できる環境があります」と小林は言います。

夢の実現が世界の課題解決につながっていく

最先端技術を扱うスタートアップの支援には理系の知識が求められそうです。しかし、文系出身の小林は、「普段その点を意識することはなく、むしろ、担当するスタートアップと話をする際には、大学で学んだ知識が生きていると感じます。その知識をさらに磨こうと、NEDOの研修補助制度を利用して、スタートアップ支援に役立つ資格取得に向けた勉強も始めました」と笑顔で話します。

加えて、「先のインドでのイベントで、日本のスタートアップと現地の学生が流暢な英語でコミュニケーションを取っている姿に刺激を受けたので、語学研修も活用し、ゆくゆくは海外駐在にもトライしたい」と言います。

また、「自分が担当しているスタートアップの中には、薬ではなくVR(バーチャル・リアリティ)を利用してうつ病を治す取り組みをしているスタートアップなどがあり、新たな技術を用いて課題解決していく大きなポテンシャルが日本にはあると感じています。NEDOに入構して、多くの日本の最先端技術に触れるようになり、その底力をリアルに感じることで、日本が改めて好きになりました。日本、そして世界にも様々な課題が山積していますが、その解決に日本発の技術が貢献するための一助になれればと思っています」と、小林の夢は大きく広がっています。

※掲載内容は取材当時のものです。