ROLE役割
持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、
イノベーションを創出する
NEDOは産学官の英知を組み合わせ、イノベーション創出を後押しし、
未来の社会に必要な、最先端技術を届ける推進力となる組織です。
TECHNOLOGIES FOR FUTURE未来に向けた技術開発
持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、
イノベーションを創出する
リスクが高い革新的な技術の開発や実証を行い、成果の社会実装を促進する「イノベーション・アクセラレーター」として、
エネルギー・地球環境問題の解決と、日本の産業技術力の強化を目指します。
研究開発の成果を最大化し、企業等による社会実装を促進するためのマネジメントを行っています。
各分野の研究開発動向の情報を収集。その結果と有識者へのヒアリングを踏まえ、
5年、10年、20年先を見据えたプロジェクトを企画・立案します。
将来予測と、社会実装に必要な目配りをしつつ、研究開発から大規模実証試験まで一貫してプロジェクトを推進します。
プロジェクト終了時には、第三者による評価を行います。また、成果物の経済的社会的効果を追跡調査し、その結果をマネジメントの改善に生かします。
経済の活性化や新規産業・雇用の創出の担い手として、新規性・機動性に富んだ研究開発型スタートアップを育成するため、シーズ発掘から、事業化支援に至るまで、シームレスな支援を行っています。スタートアップの成長のため、官民支援機関や大学等との連携も進めています。
国内外のエネルギー・環境技術、産業技術について、有望技術の発掘や社会課題、市場課題の動向把握・分析を行っています。その結果を、技術戦略や国の政策等の策定と研究開発プロジェクトの構想に生かすことで、研究開発プロジェクト等を通じた経済成長の加速を目指しています。
NEDOは国の政策と世界的な研究開発動向に基づき、エネルギー・地球環境問題の解決と日本の産業技術力の強化を目指して最先端の技術開発を行っています。現在の主な分野・事業は以下の通りです。
2022年 0 名
2023年 0 名
2024年 0 名
使うときにCO2が出ない水素は、2050年カーボンニュートラル実現のための切り札の一つとなると期待されており、日本は水素の社会実装を進めるという方針を決定しています。
この方針の下でNEDOは、水素の製造から貯蔵・輸送、利活用までの一連のサプライチェーン構築のための技術開発を進めています。
その一つが、海外で製造した安価な水素を日本に運ぶ実証プロジェクトであり、2022年には、オーストラリアから日本まで約9,000kmの海上輸送試験を成功させています。
輸送の際には、かさばる水素ガスをマイナス253度という極低温で液化し、体積を800分の1にします。
この液化水素を運ぶために開発されたのが、巨大な魔法瓶のような貯蔵タンク。
タンクを二重にし、内外の間を真空にすることで断熱する仕組みです。
長年の研究開発により、断熱性能に加えて長距離の航海に耐えうる強度も備わり、超進化版魔法瓶ともいえるタンクが実現しました。
実際、日豪間の輸送試験航海中、追加冷却は一度も必要なかったのです。
こうして、それまで実現不可能だと思われていた液化水素の長距離大量海上輸送が成立すると証明されたわけですが、NEDOの挑戦はこれで終わりではありません。
より大量の水素を運べるよう、現在はこの100倍以上の液化水素を積載可能な大型運搬船の開発を視野に入れています。
水素社会の実現のため、NEDOは本気なのです。
電動で垂直に離陸し、人を乗せて目的地まで運んでくれる「空飛ぶクルマ」。
飛行機やヘリコプターよりも省エネルギーで簡便な移動手段として、離島や山間部など過疎地域での移動や、都市部の道路渋滞の緩和に貢献することが期待されています。
2040年の市場規模は国内で2.5兆円、世界では1兆ドルに達するとの予想もあり、メーカーなどによる実証試験も始まっています。
2025年に開催される大阪・関西万博では会場周辺で実飛行が計画されています。
しかし、空飛ぶクルマが普及した際には、同じ空を飛行機、ヘリコプター、ドローンなども飛行するため、空の混雑が懸念されます。
そこでNEDOは、様々な飛行体がより安全に、より効率的に空を飛べるようにするため、飛行体の種別や用途によって飛行計画を調整する運航管理システムや、複数の飛行体の状態を検知して事故などのリスクを低くするシステムなどを開発しています。
また、空飛ぶクルマは新しい移動手段のため、その安全性や安定性をどのように定義し、どのように証明するかも課題です。
NEDOはこの課題解決にも取り組んでいます。
将来、あなたも空飛ぶクルマで通勤する日が来るかもしれません。
そのときに、「こうして安全に通勤できるのもNEDOのおかげなんだな」と思い出してもらえたら嬉しいです。
地球温暖化の主な原因の一つであるCO2は、世界で年間約336億t、国内で年間約10億t排出されています*。
このため、排出量削減の取り組みに加え、排出されたCO2の回収、地下貯留などの技術開発も進められています。
さらに、最近注目されているのが、CO2を資源として再利用する「カーボンリサイクル」です。
様々な利用法が検討されている中、NEDOは、CO2からプラスチックを製造する技術の開発に取り組んでいます。
対象は、スポンジや車のシートなどに使われる「ポリウレタン」や、スマートフォンのケースや家電のフレームなどに使われる「ポリカーボネート」などです。
現在、これらのプラスチックの原料は化石資源由来で、その製造には多くのエネルギーが使われ大量のCO2が排出されています。
この原料の代わりにCO2を使うと、CO2をプラスチックに取り込めるだけでなく、原料製造時のCO2排出量を削減でき、一石二鳥の効果が期待されます。
しかし、技術開発はそう簡単ではありません。
消費者が求める品質を保ちつつ、既存製品と同等の価格で大量生産を可能とする技術を開発できるか、これからが正念場です。
この山を越えれば、あらゆるプラスチックがCO2から作られる日も近づきそうです。
* 環境省 世界のエネルギー起源CO2排出量(2021年)
地球温暖化対策の一つとして、世界各国が太陽光発電の導入を加速しています。
日本では、国内総発電量に占める太陽光発電の割合を、2022年度の9%から2030年度には14-16%程度にまで高める見通しです。
太陽電池にいくつか種類がある中で、現在の主流は「シリコン系太陽電池」。
住宅の屋根の上に置かれていたり、「メガソーラー」と呼ばれる広大な発電設備に並んでいたりする、あの黒いパネルです。
発電コストが安く、寿命が長いのが特徴ですが、厚くて重く曲げられないため、平地の少ない日本では設置場所の確保が課題の一つとなっています。
そこで、NEDOはこれまで設置が難しかった場所で発電できる太陽電池で発電量を増やそうと、技術開発に取り組んでいます。
特に注力しているのが、日本発の有機系太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」です。
曇天や室内でも発電できる上に、フィルム状にすれば薄くて軽く曲げられるようになるので、重さの制約や形状から設置が難しかったビルの外壁や工場、倉庫の屋根など幅広い対象への導入が期待されています。
また、この太陽電池は材料を塗布することで作られるため、コストを抑えて大面積の製品を生産できる可能性があることも魅力です。
実用化に向けて、NEDOは耐久性の向上や発電コストの低減などの課題の解決に尽力しています。
街中が発電所になる未来も近いかもしれません。