「2050年カーボンニュートラル」に向けたグリーンイノベーション基金事業の全体管理に関わり、奮闘する小島香乃。
当事者意識を大事にしながら日々の仕事と向き合う。
「2050年カーボンニュートラル」に向けたグリーンイノベーション基金事業の全体管理に関わり、奮闘する小島香乃。
当事者意識を大事にしながら日々の仕事と向き合う。
グリーンイノベーション基金事業統括室
経営学部 / 2017年度入構
2017年 イノベーション推進部に配属
2021年 グリーンイノベーション基金事業統括室に異動
高校時代から「研究成果を社会に送り出す仕事がしたい」と考えており、大学を経て産学連携やベンチャー支援への関心が高まり、NEDOに入構。個人的に興味のある研究分野は天文や海洋などの地球科学。休日はインドア派。ひたすら眠り英気を養う。
「研究者になりたい」と考え理数系の高校に入学してから、最先端の研究をしている先生からお話を聞く機会に恵まれました。その中で、素晴らしい内容にもかかわらず、あまり知られていない研究がたくさんあることを知り、「知られている研究はどのようなものか」を考えた時に、研究成果がビジネスやサービスに組み込まれているものだと気付きました。そこから「自分で研究をやるよりも研究成果を世に出す仕事がしたい」と思うようになりました。
大学時代には産学連携やベンチャー支援への関心が高まり、イノベーション・エコシステムを構築するNEDOへの入構を決めました。私たちは、学校の授業で環境問題や地球温暖化を学んできた世代なので、この問題を自分事として捉えなければならないという価値観が根付いています。
現在「2050年カーボンニュートラル」という国のビジョンに関わる基金事業を担当していますが、この事業の立ち上げに携わっていて、かつ2050年を見届けられる最後の世代になるかもしれないという意識があります。だからこそ、問題意識を持ち続け、自分事としてこの仕事に取り組んでいきたいです。
2050年のカーボンニュートラルを目指し、研究開発から社会実装までを支援するために設立された基金、それがグリーンイノベーション基金です。エネルギーやカーボンリサイクルなどNEDOが取り組んできた研究開発に密接に関わっているプロジェクトもあり、これまで蓄積された成果やプロジェクトマネジメントのノウハウを活かし、NEDO全体で取り組みを進めています。
一方、船舶などこれまでNEDOが取り組む機会が薄かった分野もあり、本事業を通じて更なるナレッジが溜まっていくことも期待できます。その基金の個別のプロジェクトはプロジェクト推進部が担当していますが、私は本事業の統括室の設立当初から参加し、NEDOとしてこれまでない新たな仕組みを取り入れた制度の設計や進捗管理、予算管理などの検討を行うとともに、NEDO内外の調整を担当しています。2兆円という規模からすれば意外に思えるかもしれませんが、統括室は少ない人数でスタートを切ったため、うまく役割分担し対応の漏れがないようにしながら、事業運営の土台を整えていきました。立ち上げメンバーには同期もおり、目の前で頑張る姿に日々励まされています。
事業開始から約1年が経ち、現在は10名程のコアメンバーで全体を管理しています。これまで複数の事業の立ち上げに携わり、新規事業を立ち上げる際の勘所を身に付けることができました。特に、入構2年目で若手研究者を支援する事業の立ち上げを担当した時にはNEDO内の担当者として、経済産業省との調整でフロントにも立ちました。プレッシャーも感じましたが、自分で考えて動く日々は楽しかったですね。
今回5年目で大きなプロジェクトの全体総括に携わることも含め、若手が主体的に事業に関わる機会に恵まれている環境だと感じます。
民間企業や中央省庁からの出向者、プロパー等の多様なメンバーで構成されるNEDOにおいて、私たちプロパーは組織を下から支える役割も担っています。「プロジェクトマネジメント」というときらびやかな印象があるかもしれませんが、トラブルや問い合わせ対応に忙殺される日もあれば、雑務も引き受けることもあります。組織として円滑に物事を進めるためには、目立たなくても“陰ながら”必要なことがたくさんあります。それらを「自分事」と捉えて拾いにいくように心掛けています。
以前いたイノベーション推進部には、スタートアップ・中小企業向けの支援を行うグループがあり、プロパー、出向者関係なく熱意のある方が多く、日々白熱した議論をしていました。スタートアップ等を羽ばたかせようという強い思いを持って仕事に取り組む姿が印象に残っています。
将来について、何らかの領域で「これなら小島に任せられる」と頼ってもらえる人になることが短期的な目標です。また、学問の世界と実務の世界の視点は違うので、そこを理解し、NEDOでの経験をアカデミアに還元することが長期的な目標です。そのためには、プロジェクトの管理経験がもっと必要だと考えています。
※所属部署、仕事内容は取材当時のものです。