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省エネ化・低温室効果を達成できる次世代冷媒・冷凍空調技術及び評価手法の開発

事業・プロジェクト概要

事業年度:2018年度~2022年度、2022年度予算:5.5億円
PL:飛原英治(独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 研究開発部 特任教授)
SPL:齋藤潔(早稲田大学総合研究機構熱エネルギー変換工学・数学融合研究所 所長)

冷凍空調機器で使用される冷媒は、オゾン層を破壊する特定フロン※1(CFC※2、HCFC※3)から代替フロン※4 であるHFC※5 に転換が進んでいますが、HFCには高い温室効果を有するという問題があります。そのため、HFCへの転換の進展による使用量増大に伴ってこれらの排出量が増加していることを踏まえ、現在、国際的なHFC規制強化の動きが進んでいます。特に、2016年のモントリオール議定書の改正※6においてはHFCの生産・消費量の段階的削減義務が新たに定められ、先進国は2036年までに基準年の85%削減することが求められており、これまでより一層温室効果の低い冷媒への転換が急務となっています。

一方、地球温暖化への影響が極めて少ないグリーン冷媒をはじめとする次世代冷媒の多くは、従来のHFC冷媒と同等以上の機器性能とするための技術的ハードルが高く、さらに安全性においても課題(燃焼性、化学的不安定性等)があるため、世界的に次世代冷媒適用冷凍空調機器は実用化に至っていません。これは、次世代冷媒の基本特性評価及び次世代冷媒使用時の安全性評価・リスク評価の標準的な評価手法が確立していないことが大きな原因の一つです。さらに、冷凍空調機器分野において、一部では次世代冷媒が適用されているものの技術的課題があることで広く普及に至っていない領域があることも課題と言えます。

本事業では、グリーン冷媒をはじめとする次世代冷媒やそれらを使用した省エネ冷凍空調機器の開発基盤を整備するため、業務用冷凍冷蔵機器及び家庭用空調機器を主とする中小型規模の冷凍空調機器に使用する次世代冷媒の安全性・リスク評価手法を確立する研究開発を実施します。さらに、新たな技術開発によりグリーン冷媒をはじめとする次世代冷媒の実用化や普及化を妨げている技術課題を解決し、次世代冷媒や次世代冷媒を適用した冷凍空調機器の実用化及び普及化を図ります。

※1 フロン
冷媒の商標。転じてフッ化物である冷媒・工業用ガスの総称に用いられる。
※2 CFC
クロロフルオロカーボンの略称。低分子有機物の水素を全てフッ素・塩素で置換した人工化合物。フロンの一種。
※3  HCFC
ハイドロクロロフルオロカーボンの略称。低分子有機物の水素を一部フッ素・塩素で置換した人工化合物。フロンの一種。
※4 代替フロン
オゾン層破壊源となる塩素を含まないHFC(ハイドロフルオロカーボン)等の化合物。
※5 HFC
ハイドロフルオロカーボンの略称。オゾン層破壊効果はないものの強力な温室効果ガスであり、パリ協定において排出削減の対象となっている。
※6 2016年のモントリオール議定書の改正
2016年10月ルワンダの首都キガリで開催されたモントリオール議定書第28回締約国会合(MOP28)において採択されたもの。「キガリ改正」と呼ばれる。

基本情報

技術・事業分野 フロン対策
プロジェクトコード P18005
担当部署 環境部 (TEL:044-520-5248­)

詳細資料

最終更新日:2023年10月23日

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