本文へジャンプ

セルロースナノファイバー材料のLCA評価などの手法検討および評価に本格着手
―カーボンニュートラル社会の早期実現に向け、CNFの有用性を訴求する―

2023年6月12日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは「セルロースナノファイバー材料のLife Cycle Assessment(LCA)等評価手法の検討及び評価」(以下、本事業)で、セルロースナノファイバー(CNF)の社会実装を加速すべく、五つの研究開発テーマを採択し、本格的に着手します。

本事業は、CNFの特徴である二酸化炭素(CO2)削減効果やリサイクル性の高さなどを、既存の石油原料由来の材料などと比較した結果を可視化し、脱炭素社会におけるCNFの役割を明確にすることで、CNF関連事業を加速させることを目的としています。

NEDOは本事業を通じて、CNFの有用性を広く訴求し社会実装を推し進めることで、カーボンニュートラル社会の早期実現に貢献します。

ライフサイクル思考に基づくCNFの有用性を表す図
図 ライフサイクル思考に基づくCNFの有用性

1.概要

2050年カーボンニュートラル実現に向けて、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、2020年度から「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発※1」を開始し、CNFの社会実装に向けた技術開発を進めています。

今般、脱炭素社会実現に向けたCNF材料の貢献度や役割を明確化することを目的に、ライフサイクル思考(図)に基づいたLCA評価※2などの手法検討および評価に本格着手します。

本事業では、さまざまな産業のデータベースや、各製造工程などにおける物質・エネルギー・資金のバランスに関するデータなど、プロセスデータを測定・解析することでLCA評価を行います。さらに、CNF材料の特徴であるCO2削減効果やリサイクル性の高さなどを、既存の石油原料由来の材料などと比較して可視化します。加えて、CNF関連事業などを取り巻く産業連関分析(IOA:Input-output analysis)※3や、マテリアルフロー分析(MFA:Material flow analysis)※4などを実施することで、国内産業や経済への波及効果を明確にします。

LCA評価手法や分析結果などの成果は、国内外の関連学会や学術雑誌などにおいて積極的に発表し、CNFの有用性を広く訴求することで社会実装を推し進め、カーボンニュートラル社会の早期実現に貢献します。

2.採択テーマ

【1】事業名

セルロースナノファイバー材料のLife Cycle Assessment(LCA)等評価手法の検討及び評価

【2】予算

2.4億円(予定)

【3】期間

2023年度~2024年度(予定)

【4】研究開発テーマ名および実施予定先

研究開発項目 研究開発テーマ 実施予定先
1 ライフサイクル思考に基づく評価要件の設定 国立大学法人 東京大学
未来戦略ライフサイクルアセスメント連携研究機構
2 LCA実施
3 産業連関分析(IOA)の実施
4 評価の推進
5 学会・論文等における公表

【5】研究開発テーマ

研究開発項目1:ライフサイクル思考に基づく評価要件の設定

既存の石油原料由来材料からCNF材料への代替効果を定量的に求めるために、材料の物質フローやリサイクル性なども加味することで、時間的・空間的に材料のライフサイクル全体を評価できる手法を整理し、必要な要件を定義します。

研究開発項目2:LCA実施

さまざまな産業データベース(CO2排出量、電力消費量など)を用い、CNF関連事業に参画している事業者などの各製造工程における物質・エネルギー・資金のバランスなどのプロセスデータを測定・解析します。CNFの原料や種類、製造方法、リサイクル利用などを考慮した、CO2削減量などを試算します。その上で、既存の化石燃料由来樹脂や炭素繊維素材などとの比較により代替効果を定量的に解析します。

研究開発項目3:産業連関分析(IOA)の実施

CNFを導入したときに起こりうる産業構造の変化に関してIOAを試行し、国内の産業や経済への波及効果を可視化します。

研究開発項目4:評価の推進

評価結果をプレゼンテーションなどに用いることが可能な視覚的にわかりやすい図表としてまとめ、ニュースリリース、普及資料の作成などを行い、広く社会へ発信します。

研究開発項目5:学会・論文等における公表

評価結果は、国内外の関連学会や学術雑誌などに公表し、広く専門家からの評価を受けながら科学的妥当性を検証します。また評価内容を活用し、カーボンニュートラル社会に向けた素材としてのCNFの役割を明確にします。

【注釈】

※1 炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発
※2 LCA評価
ISO14040シリーズでも定義されている、対象とする製品を生み出す資源の採掘から素材製造、生産だけでなく、製品の使用・廃棄段階まで、ライフサイクル全体(ゆりかごから墓場まで)を考慮し、資源消費量や排出物量を計量するとともに、その環境への影響を評価する手法です。
※3 産業連関分析(IOA:Input-output analysis)
ある一定の範囲内の経済において一定期間(通常1年間)に行われた財・サービスの産業間取引を一つの行列(マトリックス)に示した統計表のことです。日本全国が対象の全国表を総務省、都道府県を対象とした都道府県表を各都道府県庁から得ることができます。産業連関分析は、この表を用いて取引の構造を何らかの観点に基づき可視化、指標化、評価するものです。
※4 マテリアルフロー分析(MFA:Material flow analysis)
あるまとまりのあるシステム(国や地域など)における一定期間内(例えば1年間)のモノの流れ(投入・排出・蓄積)を、系統的にかつ定量的に分析する手法です。LCAが機能単位として製品1kg当たりなど、単位量当たりの流れに着目していることに対し、MFAでは総量として流れている量に着目し、規模などの議論が可能となります。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

材料・ナノテクノロジー部 担当:小野、丸岡
TEL:044-520-5220 E-mail:cnf-pj[*]ml.nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:黒川、坂本(信)、瀧川、橋本、根本
TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp

E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。

  • 新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。

関連ページ