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ものづくり・IT融合化推進技術の開発-NEDOプロジェクト解説

 
プロジェクトの現状と成果
 平成16年10月現在、加工技術データベースには、5,000件以上のデータが蓄積され、すでにWeb閲覧機能を技術評価版として公開、約600名(平成16年3月現在)の会員が利用しています。
 また、同データベースおよび設計・製造支援アプリケーションの活用により、「加工データを用いることで、初物加工やこれまで困難だった加工がスムーズにでき、企業内の新しい技術資産になった」「従来、紙で作成していた初物管理表のデジタル化を容易に実現できた」「部品製造の工程設計において、様々な工程のデータを利用することで迅速なスケジューリングが可能になった」といった成功事例もあがっています。
 さらに、3次元CADデータの品質チェックを行うソフトウェア(PDQチェッカー)の開発もほぼ完了。自動車工業会のホームページ上において紹介されたほか、本プロジェクトで開発を行っているプラットフォームと併せて評価キットが作成され、現場での評価が行われています。
今後の課題と見通し
 本プロジェクトにおいては、上記のような成果があがる一方で、項目によっては加工技術データの不足やデータベースのセキュリティ管理といった課題も残されており、今後、こうした課題を解決しつつ、また、一部は実際に実用を進めながら、平成19年度の完成を目指して研究開発が行われています。
 本プロジェクトにおいて開発されたシステムが普及すれば、中小製造企業における技能やノウハウのデータ化が容易になり、企業内の技能継承と高い技術力の維持、あるいは企業間での共有が可能になります。また、設計・製造支援アプリケーションを活用することにより、低コストで目的に合ったアプリケーションを手軽に開発することができるようになります。
 このように、中小製造企業をインフラ面とコスト面の双方からサポートしていくことで、個々の企業、そして国内中小企業全体の技術力・競争力の向上を図ります。さらにそうした相乗効果が、本プロジェクトの最終目標、すなわち、今後さらなる激化が予想される海外製造企業との競争に対応できる力、新しい技術や市場を開拓する力としてフィードバックされていくことが期待されます。
PDQチェッカーの表示画面
中小製造企業における開発システム利用のイメージ